個人向け広告は何を基に選ばれ、利用者の反応でどう変わるのか
個人向け広告を選んだ利用者については、オーケストレーターが過去の会話に含まれる機微な情報以外の内容も選定に利用できる。OpenAIの公開FAQでは、広告を個人向けに調整する設定と、身体の健康、心の健康、政治などの敏感な話題を除外する措置が説明されている。OpenAIは広告主には利用者の会話を提供しないとしている。
AIが作成した短い文章を回答の直下に置き、広告と会話の関連を説明する表示方法は、新しい試みだ。OpenAIは2026年3月26日の試験報告で、利用者の信頼を測る指標に悪影響はなく、広告を非表示にする割合も低かったと説明した。利用者からの反応を基に、広告の関連性も高まっているという。広告方針では、広告主に適用法令の順守を求め、広告の審査、監視、違反への対処を定めている。
OpenAIは利用者のクリックや広告の非表示を重視し、広告を選ぶAIを改良する
OpenAIは高性能のAIモデルに広告選定の結果を評価させ、広告候補の検索や一連の処理を管理する小型モデルの学習に利用している。利用者が広告をクリックしたり非表示にしたりする操作、アンケート回答、広告主からの意見も、システムの改良方針を決める。OpenAIはAIモデルによる評価よりも、利用者や広告主から得られる実際の反応を重視し、「好みを形づくるのは人間だ」と説明する。広告収入の目標が大きくなる中で、何を優先してシステムを改善するのか、注視する必要がある。
Geminiへの広告導入を示唆するグーグル、企業と直接話せる広告を構想するOpenAI
グーグルもAIを使った検索広告の開発を進めている。検索結果をAIがまとめる「AI による概要(AI Overviews)」と、会話形式で検索できる「AI モード(AI Mode)」には、すでに広告を掲載している。グーグルの最高事業責任者(CBO)、フィリップ・シンドラーは2026年4月の決算説明会で、AI モードで機能する広告形式はGeminiアプリにも応用できるはずだと述べた。2026年4月より数カ月前には、グーグルはGeminiアプリに広告を掲載しておらず、掲載を始める予定もないと説明していた。
OpenAIも、利用者が広告を通じて企業と直接会話できる仕組みなど、より柔軟な形式を構想している。広告システムを構築したチームによると、開発期間は約1年で、OpenAIのプログラミング用AIエージェント「Codex」が中心的な役割を果たした。
広告主は検索語ではなく、AIが解釈した利用者の意図に入札する
私はデジタルマーケティングと広告技術に25年以上携わり、広告主が検索語ごとに利用者の購買意図を捉える方法を身に付けていく過程を見てきた。検索広告が定着させたのは、利用者が入力する検索語こそ、インターネット上で購買意図を最も明確に示す手掛かりだという考え方である。ChatGPT 広告では、検索語そのものではなく、AIが会話から推測する利用者の意図が広告を選ぶ基準になる。
広告主は今、AIが会話から推測した利用者の意図に合わせて広告を表示するために費用を払う。広告主にまず求められるのは、AIが利用者の意図をどのように推測するかを理解し、AIの判断を信頼できるか見極めることだ。


