年率55%の大幅な価格変動、分散投資の障害となる
JPモルガンが基準シナリオで見込むビットコインの年平均リターン10%は、米国大型株の7.5%、金の5.5%、株式60%・債券40%で運用するポートフォリオの7%を上回る。比較対象のポートフォリオは、世界の株式を60%、米国の総合債券を40%組み合わせた米ドル建ての資産配分である。ビットコインの試算期間は10年間、比較対象とした伝統的な資産の予測期間は10~15年間となっている。過去のデータに基づく年率換算の価格変動率は、ビットコインが55.0%で、金の17.2%を大幅に上回る。
JPモルガンのアナリストは「株式や債券などを組み合わせたバランス型ポートフォリオで、リスクを分散するための投資先としてビットコインを検討するのは時期尚早だ」と記した。さらに「価格変動が今後も小さくなり、他の資産との値動きの連動性が安定すれば、投資先としての評価が将来変わる可能性はある。特に、規制が明確になり、売買のしやすさと市場での価格形成が引き続き改善した場合だ」と続けた。
暗号資産の支持者、JPモルガンの試算を「勝利」と受け止め
暗号資産の支持者は、JPモルガンの予測を歓迎した。かつて宿敵とみなしていた既存の金融業界に対して、ビットコインが勝利したことを改めて裏付けるものと受け止めている。
暗号資産運用会社Bitwise(ビットワイズ)の最高投資責任者マット・ホーガンは、Xに投稿した。「既存の金融業界は、最初はビットコインを無視し、次に笑い、それから攻撃する。最後にはJPモルガンが自社の『超長期市場予測』にビットコインを加え、今後10年間で最も高い収益を上げる資産になると予測する」。
JPモルガン、通貨価値の下落が暗号資産の買いを呼ぶとの見方を退ける
ただし、JPモルガンのアナリストは、ビットコインの値上がりを見込む有力な論拠にも異議を唱えた。米ドルなどの法定通貨の価値が低下すれば、ビットコインをはじめとする暗号資産への買いが殺到するという主張である。
アナリストは「米ドルの価値が下がっても、各国の外貨準備に使われる通貨としての地位は失われない。同様に、幅広い通貨の価値が下落すれば暗号資産へ資金が殺到するという見方も的外れだ」と記した。


