航空データ分析会社Cirium(シリウム)の最新の予測によると、世界の航空会社は今後20年間で総額3兆2000億ドル(約506兆円)相当の新造の航空機約4万3000機を必要とする。だが航空機メーカーは納入に苦戦する可能性がある。
新造機の20年予測は2025年版より3500機少なく、総額は約506兆円に減少
シリウムの『2026 Cirium Fleet Forecast』では旅客機、貨物機、ターボプロップ機の2045年までの納入数を予測している。この数字は昨年予測された4万6500機より3500機少なく、7.5%減だ。
推定納入額も3兆4000億ドル(約538兆円)から3兆2000億ドル(約506兆円)に減少している。ただし、それぞれの推定額が対象とする20年間は異なっており、価格の基準年も異なるため、これらの額を直接比較することはできない。
機体不足は2020年代末まで解消せず、成長ペースは納入能力が左右
重要なポイントは、エアバス、ボーイング、そして両社のサプライヤーが増産に取り組んでいるものの、航空機不足は2020年代はずっと続くとシリウムが予想していることだ。
Cirium Ascend Consultancy(シリウム・アセンド・コンサルタンシー)のグローバル責任者スティーブン・バーンサイドは「シリウムの最新の予測は、長期的な航空機需要は引き続き堅調だが、成長のペースが業界の供給能力にますます左右されるようになっていることを示している」と述べた。「航空会社が路線網の拡大と老朽化した機材の更新を図る中、その需要に応えるにはサプライチェーンのレジリエンスやエンジンの供給状況、そして拡張可能な生産体制が極めて重要になる」
エアバスとボーイングの需要予測と類似
シリウムの見通しは世界最大の民間航空機メーカー2社の予測と一致している。
ボーイングの『2026年版民間航空機市場予測」では、2045年までに4万3625機の新造機需要が見込まれている。エアバスは『世界市場予測』で同期間に約4万2060機の納入を見込んでいる。
3つの予測はそれぞれ異なる手法を用い、航空機区分も異なるが、いずれも機材の拡充と更新に対する大きな需要を予測している。
その需要に応えることは両メーカーにとって引き続き大きな課題となっている。
飛行中に部品が外れた事故で当局が監督を強化、ボーイングは競合にさらに後れ
ボーイングは長年にわたって製造と品質の問題を抱え、生産の回復に苦慮してきた。2024年1月に発生したアラスカ航空の機体のドアプラグ落下事故の後、規制当局がボーイングの製造オペレーションに対する監視を強化したことで、航空機の納入数でエアバスにさらに大きく後れを取ることになった。
ボーイングは737 MAXの増産に取り組む一方、MAX 7とMAX 10の認証取得を進めている。同社のワイドボディ機777Xの取り組みも度重なる遅延に見舞われている。
エアバス、人気機種A320neoのエンジンと部材が不足
エアバスは生産上の制約に直面しており、特にエンジンの供給不足やサプライヤーからの部品不足が人気機種のA320neoファミリーに影響を及ぼしている。



