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2026.10.27 15:15

地雷原で磨いた「透ける化」技術で、道路陥没から日本と世界の暮らしを守る

雑賀正嗣|ジオ・サーチ

シェア9割でも「まだまだ、これから」

磨き上げた技術は、多くの成果を生んできた。ある自治体の道路調査では、3.6m×2.6m、深さ3mにも及ぶ巨大な空洞を発見し、事故を未然に防いだ。空洞ポテンシャルマップの作成から調査までを手がけた神奈川県藤沢市では、陥没が8割減った。国から依頼される定期点検でも着実に成果を上げており、日本全体の道路総延長に占める直轄国道の割合2%に対し、陥没の発生は全体の1%と低水準を維持することに貢献している。

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「病気と一緒で、早期発見で小さいうちに直したほうがいい」と雑賀は言う。小さな空洞なら補修の範囲も費用も小さく済み、危険度によっては経過観察にとどめ、道路の改修に合わせて直すこともできる。

それでも雑賀は「まだまだ、これから」と言い切る。道路陥没の99%は、調査が進んでいない都道府県道や市町村道で起きているからだ。

「我々は陥没事故を未然に防ぎたい。そのためには99%に挑まないと事故は減らない」

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国内1万件といわれる道路陥没を減らすこと。雑賀はそれをジオ・サーチの使命だと考えている。

壁となるのは、自治体の調達制度だ。地元企業に限る要件や、最低制限価格での入札が並んだ際のくじ引きといった慣習も根強く、技術力だけでは参入できないケースも多い。自治体の担当者によっては、空洞調査が予防保全につながるという認識がないこともある。

「サービスの質」「技術力」での競争を訴える同社では、品質に向き合う姿勢として、万が一空洞を見逃して事故が起きた場合に損害を賠償する制度を設けている。発注者は出された調査結果を信じるしかない、というサービスの特性を踏まえたものだ。

さらに、東京大学、舗装大手のNIPPOと連携し、繊維シートを用いた「陥没予防パッチ」を開発した。空洞の上のアスファルトに貼る“絆創膏”のようなもので、シートに樹脂を染み込ませれば簡単に応急処置ができる。「空洞を見つけても対処まで手が回らない。だから調査をしない」という事態を先回りして解決するためのものだ。パッチ単体では「あんまりもうかっていません」と雑賀は明かすが、陥没予防の全体像を描くための一手だ。

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文=新村海咲 写真=平岩享

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