しかし、これらの上位国が移住しやすい場所とは限らない。ゲルバキアニによると、UAEは約54万5000ドル(約8610万円)からの不動産投資など、要件を満たす投資ルートを通じて10年間の「ゴールデンビザ」を提供している。アンドラには最低100万ユーロ(約1億7800万円)のアンドラ資産を要する居住枠があり、モナコでは通常、居住申請前に現地の銀行へ多額の資金を預金することが求められる。
こうした違いは、インデックスの主要な発見を浮き彫りにしている。すなわち、万人に当てはまる理想的な移住先は存在しないということだ。最良の選択肢は、個人の優先順位、財務状況、そして海外で生活基盤を築くための現実的な要件によって決まる。
税制、安全性、気候、生活の質で優れた国
2026年版インデックスにおける最も興味深い発見の一つは、五つのカテゴリーすべてで圧倒的な強さを示す国・地域が存在しない点だ。実際、カテゴリーごとに首位を獲得した国が異なる。
パナマは「自然・気候」で73.6のスコアを獲得し首位に立った。この中米の国は、インデックスの指標によると、きれいな空気と異常気象への長期的なリスクの低さが評価された。しかし、自然環境の優位性と83という高い税制スコアにもかかわらず、パナマの総合順位はトップ10をわずかに逃す11位となった。
「パナマは対極的な例です。自然と気候で首位に立ちながら総合11位にとどまったのは、生活の質のスコアが40.6だからです」とゲルバキアニは解説する。
UAEは「税制」で96ポイントを獲得し首位となった。優遇された税制、個人所得税の不存在、二重課税防止条約のネットワークは、起業家や投資家にとって特に魅力的だ。
マルタは「居住権・アクセス」のカテゴリーで95ポイントを獲得し首位を獲得した。この地中海の島国は、強力なパスポートランキング、複数の居住ルート、そして長期の居住要件を課す国々に比べて比較的取得しやすい市民権へのルートを有している。個別要件は異なるものの、報告書では五つの居住ルートと5年の帰化期間が提示されている。
アンドラは「安全性・自由度」で最高となる96を獲得し、スイス(92.7)やリヒテンシュタイン(92.1)を上回った。この実績は、居住権アクセスのスコアが比較的低めであるにもかかわらず、この欧州の小国が総合2位にランクインした理由を説明している。


