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2026.10.15 10:15

【特選記事】グーグル「ムーンショット」の巨額資金を稼ぎ出す広告帝国

YouTubeのディスプレイ広告担当副社長、ニール・モーハン(現・同社CEO)

YouTube本社のグーグル・ブランドラボは、マーケターのための「大人の隠れ家」だ 
YouTube本社のグーグル・ブランドラボは、マーケターのための「大人の隠れ家」だ 

ブランドラボに戻ると、台座の上に24個のデジタルフォトフレームが美しく並べられ、すべてに炎の動画が再生されていた。「偉大な物語はキャンプファイヤーを囲んで語られるものです」とグーグルのプロジェクトマネージャーは解説した。気の利いた演出である。しかし、このデジタルな焚き火は何の熱も発してはいない。熱気を作り出すために、グーグルにはハリウッドのような華やかさと興奮がどうしても必要となる。

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ハリウッドの南西に広がるスタジオや撮影ステージの迷宮には、カメラ、照明、工具箱、そして飲みかけのコーヒーカップが散乱している。あるステージには、映画『シャイニング』のホテルの廊下のような、ホラー映画の定番セットが組まれている。別のスタジオでは、3人の女性が前髪のセルフカット方法に関する動画の撮影準備を進めており、そのうちの1人はハサミを手に握っている。かつて1940年代にヒューズ・エアクラフトが巨大飛行艇「スプルース・グース」を建造した格納庫だった約3800m²(4万1000平方フィート)のこの建物は、現在「YouTube Space LA」として生まれ変わり、おそらくオンライン動画専用としては世界最大の制作拠点となっている。

ここは、YouTubeが「スケートボードに乗る犬の動画」という過去のイメージを払拭し、テレビの大手広告主にとってよりクリーンで洗練された場所に生まれ変わるための最新の試みである。その挑戦は数年前に始まった。シャキール・オニールやエイミー・ポーラーといった著名人を起用し、テレビのような約200の公式チャンネルを開設するために3億ドルを投じたのだ。それらのチャンネルはまだテレビ局を震え上がらせるほどではないものの、YouTubeはウェブのディスプレイ広告よりも高く、テレビに近い高単価な広告枠を販売できるようになってきた。eマーケターによると、2013年のYouTubeの総広告収入は51%増加し、56億ドルに跳ね上がり、コンテンツや広告のパートナーへの支払いを差し引いた純収入は20億ドルに達した。

しかし、ここに興味深い事実がある。最も人気を集めているチャンネルのいくつかは、既存のテレビ局の模倣などでは決してないという点だ。それらは、30歳以上の人々にはまったく馴染みのない、ピューディパイ(PewDiePie)やジェナ・マーブルズといった新世代のクリエイターによって生み出されている。同様に、YouTubeで最も人気を集める広告は、グーグルが奪い取ろうと目論んできた従来のテレビCMとは似ても似つかない。アメリカン・エキスプレスからゼネラル・エレクトリック(GE)に至る大手広告主たちは、ネット特有のソーシャル性と双方向性をいかすためには、単にテレビCMを再放映するのではなく、まったく新しい感性を磨き上げなければならないと気づき始めている。

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たとえば、長年続く「リアルビューティー・キャンペーン」の新たな試みとして、ダヴは4月にYouTubeで1本の動画を公開した。FBI仕込みの法医学法廷画家が、女性たちの似顔絵を2枚描くという内容である。1枚は女性本人の自己申告に基づき、もう1枚は初対面の他人の証言に基づいて描かれた。後者の方が、より魅力的な肖像画に仕上がった。ユニリーバ傘下の同ブランドによるこの感動的な3分間の動画は、5月までに世界中で1億1400万回以上再生され、史上最も再生されたオンライン動画広告となった。「単なる30秒の広告ではありません」と、YouTubeのコンテンツ戦略担当ディレクターであるジェイミー・バーンは語る。「人々が積極的に関わり、友人と共有したくなるようなコンテンツを生み出すことなのです」

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