11月にニューヨークのラジオ・シティー・ミュージック・ホールで行われたアデルのライブコンサートを、米NBCが12月14日、1時間の特別番組『アデル・ライブ・イン・ニューヨーク・シティー』としてオンエアした。
情報サイト米Deadlineは、番組の視聴者数を1,120万人としており、NBC系列で放映されたコンサート特番では過去10年間の最多視聴者数を記録したことになる。
放映されたライブのチケットは一般販売という形を取らず、アデル本人のメーリングリストに登録した人からランダムに選ばれて配布された。観覧希望者は大変な数にのぼり、決して大規模とは言えないラジオ・シティーがファンで埋め尽くされ、圧巻のライブが繰り広げられた。
番組で見る限り、ライブではお馴染みの『セット・ファイア・トゥ・ザ・レイン』や、映画『007 スカイフォール』の主題歌『スカイフォール』等のヒット曲が中心に歌われ、オープニングでは新曲の『ハロー』も披露された。アデルは、この他にもイギリスで11月20日にリリースされたばかりの新曲『When We Were Young』、最新アルバム『25』収録曲の『ミリオン・イヤーズ・アゴー』や『オール・アイ・アスク』を熱唱した。
2012年にイギリスで最多ダウンロード数を記録した『サムワン・ライク・ユー』では、曲の最初の方で歌声を止め、最愛のひとサイモン・コネッキ氏に熱いメッセージを送った。この哀愁を帯びたメロディーを、今までとはまったく違う気持ちで歌えるようになったと。アデルは目に涙を浮かべてファンに感謝を伝え、ショーは『ローリング・イン・ザ・ディープ』で幕を閉じた。
NBCはこれまでにもビッグ・スターのライブを特別番組として放映してきたが、アデルほどの視聴率を稼ぎ出したスターは他にいない。今年の夏はエド・シーランのライブを、昨年は同様のスタイルでマイリ-・サイラスのライブスペシャルをオンエアしたが、いずれも視聴者の数は200万人止まりだった。この結果からもアデルの桁違いな人気がわかる。
アデルにとって、今回はアメリカで数年ぶりのライブだったが、今回限りにならないことだけは確かだ。つい最近、アデルは2016年の2月を皮切りに11月まで合計105日間にわたってワールドツアーを行うと発表した。同ツアーではまずヨーロッパ5か国を訪れ、特にロンドンでは2万人収容のO2アリーナで8回の公演を行う予定だ。アメリカではロサンゼルス、ステープルズセンターの6回、ニューヨークのマディソン・スクエアガーデンの6回を含む50回を超えるライブ公演を予定している。