コロンビア人富豪のハイメ・ギリンスキーは、ベネズエラの油田にまつわる契約に署名したわずか数時間後、その契約をラテンアメリカの石油・天然ガス探鉱・生産企業であるGeoParkに譲渡することに合意した。その見返りとして、総額約5億ドル(約800億円)相当の同社株を取得し、過半数の経営権を握ることになる。
ギリンスキーは今年3月にGeoParkに1億700万ドル(約171億円)を出資し、発行済普通株式の約20%を取得して同社の筆頭株主となっていた。
今年9月には、ギリンスキーが率いるコロンビアの金融・産業コングロマリット、Grupo Gilinskiの関連グループが、同油田の契約を保有する企業の権益95%を株式と引き換えにGeoParkに売却することに合意していた。
今回の譲渡の数時間前、ギリンスキーはベネズエラ政府と油田の操業に関する25年間の契約に署名したばかりだった。
GeoParkは1株あたり12.22ドルで4210万株(総額約5億1400万ドル)を発行することに合意した。この新たな枠組みの下で、GeoParkはこの油田に必要な新規投資の全額を資金提供し、合計65%の権益を得る。残りの権益はベネズエラ国営のPetroleos de Venezuela SA(PDVSA)が維持する。
契約が発効するまで、同社は120日以内に各種条件を満たす必要がある。それらの条件が満たされた場合、ギリンスキーは既存株主から米国時間10月8日の終値を上回る価格で最大1億ドル(約200億円)分の株式を買い取る提案を行う見通しだ。
GeoParkの株価は8日に3.8%高の11.45ドルで取引を終えたが、9日午後には11.39ドルへと値下がりした。
今回対象となった油田(Bare oil-field)はベネズエラのオリノコ油田地帯にある重質油田であり、原始埋蔵量は推定157億バレルに上る。GeoParkはこの油田の生産量を現在の日量約1万1000バレルから9万5000バレルへと引き上げる計画を掲げる。GeoParkのフェリペ・バヨンCEOは、タール状の原油を輸送するためのブレンド用基材を確保すべく、PDVSAと協力していると述べた。
9日の時点でギリンスキーの推定資産額は1000万ドル(約16億円)減の167億ドル(約2兆6700億円)となった。フォーブスの『リアルタイム・ビリオネア・リスト』では第164位に位置する。彼はラテンアメリカ最大級の銀行帝国を築き上げて財を成し、2022年にはGrupo Nutresaと金融サービス企業Grupo Suraの主要株式を取得した。



