中国製AIとオープンウェイトモデルが、米国の高額な独自AIサービスに競争を迫る
中国のAI開発企業やオープンウェイトモデルの提供者は、価格を抑えながら性能を高めている。DeepSeekの公表料金によると、V4.1 Flashは利用が集中する時間帯に入力100万トークン当たり0.30ドル(約47円)かかる。出力100万トークン当たりの料金は1.20ドル(約190円)だ。利用が少ない時間帯には、それぞれ半額となる。
アリババのQwen3.8 Flashは、特定の利用環境で入力100万トークン当たり0.113ドル(約18円)、出力100万トークン当たり0.382ドル(約60円)から利用できる。多くの高性能な独自モデルより、料金は大幅に安い。
低価格モデルは性能試験でも競争力を高めている。最先端モデルを超えるには至っていないものの、2026年初めに最高水準だったモデルに匹敵する能力を持つ。多くの企業にとっては、それで十分だ。モデルによって推論能力、必要なトークン数、処理時間、失敗率は異なるが、価格差が大きいため、利用企業は高額な料金に見合う価値を問い始めている。
オープンウェイトモデルなら自社設備で運用でき、特定企業のAPIに縛られにくい
独自モデルを提供する企業には、オープンウェイトモデルの普及も脅威となる。企業は利用条件に応じてモデルを自社の設備で動かすか、複数の事業者が提供するクラウド型の利用サービスを選べる。運用できる技術力があれば、システムや入出力データを自社で管理しやすくなり、特定企業のAPI料金に依存せずに済む。
2026年10月5日、エヌビディアの支援を受けるReflection AIは、コーディングや推論、AIエージェントの作業に向けたオープンウェイトモデル「Beam」を発表した。AIが学習で調整する内部の数値「パラメーター」は、モデル全体で5010億個ある。専門家混合(MoE)方式により、1回の処理で使うのは230億個だけだ。全体を同時に動かす場合より計算量を抑えられる。
高性能モデルを自社設備で動かせたり、複数の提供企業から安く利用できたりするなら、OpenAIやアンソロピック(Anthropic)に追加料金を払う理由は何か。推論能力の高さは理由になり得るが、実際の仕事で価格差に見合う効果を示せる場合に限られる。


