英国が鉄道、エネルギー・水道施設、あるいはAIデータセンターを建設する際、最終的な投資額は欧州の近隣諸国を大きく上回る。
Britain RemadeとCentre for British Progressが今年発表した国際分析によると、英国は新規インフラに割高な費用を支払うため、年間約80億ポンドを費やしている。[i]
政府支出の1ポンド1ポンドが厳しく精査され、各国がAI産業革命に備える競争にしのぎを削るなか、この差を正当化するのは難しい。
この差をどう縮めるかをめぐる議論は、より迅速な整備、地域社会の福祉、環境保護の間で政治的選択を迫るというおなじみの構図に落ち着いており、計画制度の全面的な改革を求める声もある。だが、立法改革だけでは英国のインフラ課題を解決するには不十分である。とりわけ、プロジェクト評価の枠組みがそれに合わせて進化しないのであればなおさらだ。
計画制度改革は必要だが十分ではない
最近の計画制度改革は、重要な点を正しく捉えている。人々を実際の被害から守るために設計された手続き上の権利は、結果として、機会主義的な反対者、選挙で選ばれた指導者、リスク回避的な公的機関がプロジェクトを遅らせ、潜在的な被害を大きく上回る譲歩を引き出す機会を生むことがある。根拠に乏しい異議申し立てを制限し、国益にかなうプロジェクトの意思決定期間を短縮することは、遂行能力の向上につながり得る。
同時に、大規模インフラプロジェクトは必然的に社会的・環境的被害をもたらし、その一部は金銭や物的な補償では完全には埋め合わせられない。正当性のある許認可制度は、影響を受ける人々に対し、提示された計画を十分に争う機会を与えなければならず、場合によっては、事業を進めること自体の妥当性を問う機会も必要である。そうした権利が実質的なものであるなら、費用と遅れは生じる。それは手続き的正義の代償であり、本当の問いは、社会がそのためにどこまで支払う意思があるかという点にある。
また、形式的な権利を縮小することで達成できることにも限界がある。あるプロジェクトを不公正だと考える地域社会や社会運動は、制定法がそのための道筋を与えているかどうかにかかわらず、政治的・社会的圧力を動員し続ける。政策改革は権利の配分を変えるかもしれないが、社会的期待を変えるにははるかに時間がかかる。
焦点を当てるべきは評価の枠組みである
より大きな問題は、評価の枠組みが許認可制度と歩調を合わせて進化していないことだ。
開発事業者は、影響を受けるステークホルダーが誰なのか、その人々が潜在的な被害をどのように受け止めると予想しているのか、どのような緩和策が求められるのか、プロジェクトを後押しする公益上の主張が正当なものとして受け入れられるのかを把握する前に、予算とスケジュールを約束するよう日常的に求められる。設計構想に関する実質的な協議が存在するのは、そうした情報が事前には得られないからである。それにもかかわらず、投資判断はあたかも情報がそろっているかのように承認される。
その結果、プロジェクトは非現実的な前提のもとで承認され、コスト、スケジュール、スコープに照らして評価される。プロジェクト管理における古典的な「鉄の三角形」が示すように、1つの要素を変えれば、別の要素に影響を及ぼさずにはいられない。ステークホルダーの懸念が明らかになり、それに対応していく過程でコストが必然的に上昇し、最終的に紛争解決が司法の場に先送りされると、その調整は失敗として報告される。
多くのプロジェクトに見られる「失敗」が、単なる管理やガバナンスの不備以上のものに起因するのはこのためである。むしろそれは、現代の計画制度に組み込まれた正義の原則と、プロジェクトのパフォーマンス評価に今なお使われている投資家中心のモデルとの不一致を反映している。この2つが整合しない限り、その循環は続くだろう。
マネジメントの強化だけでは差は埋まらない
「インフラプロジェクトの低調な成果」が続くことへの主流の対応は、新たなガバナンス構造、保証プロセス、予測ツール、ステークホルダー・エンゲージメントの実務を備えた、より高度な管理システムを次々と構築することだった。その多くは実際に管理能力を高めてきたのであり、それを退けるのは誤りである。
しかし、こうした介入では、ステークホルダーの権利の正当な行使から生じるコストや遅れを解消することはできない。むしろ、それらがもたらしたのは、遂行に伴う間接コストの大幅な増加である。その結果、プロジェクトの成果に対する失望は続き、本来その専門職が解決するよう設計されていない問題に対処するための、ますます高額なプロジェクト管理装置が生まれている。
英国は、制度上の問題に対して管理上の解決策を探し続けるのをやめる必要がある。現代の許認可制度と投資家中心の評価モデルとの不一致に対処し、枠組みの整合性を高めない限り、英国はインフラに割高な費用を払い続けることになる。そこには管理とガバナンスの費用も含まれる。もはや英国が負担できないコストである。
[i] https://www.thetimes.com/uk/politics/article/britain-wastes-8bn-infrastructure-5ktk36267



