日本はアジアのクルーズ航路で、人気の寄港地という位置づけを超えつつある。新たな船の投入、日本の港を発着拠点とする運航の拡大、大規模投資が重なり、日本はアジア有数のクルーズ拠点へ浮上している。
沖縄・那覇港の新ターミナルは、なぜアジアのクルーズ拠点として重要なのか
ロイヤル・カリビアン・グループとMSCクルーズは2026年10月5日、沖縄の那覇港で新たなクルーズターミナルの建設に着手した。2028年3月の供用開始を予定する。
那覇港は、日本の寄港地であると同時に、アジア各地を結ぶクルーズ航路の拠点としても期待されている。日本の南西部に位置し、台湾、韓国など東アジアの各地へ比較的アクセスしやすいためだ。
クルーズ大手2社にとって、那覇の新ターミナルは日本とアジア市場全体の持続的な成長を見込んだ長期投資だ。ロイヤル・カリビアン・グループのジェイソン・リバティ最高経営責任者(CEO)は発表資料で、日本は「ロイヤル・カリビアン・グループにとってアジアで最も重要なクルーズ市場に数えられる」と述べ、世界事業における「パートナー」と位置づけた。MSCクルーズも、那覇への投資を通じてアジア域内のクルーズ航路の接続を強化する考えを示している。
訪日クルーズ客177万人、クルーズ会社は日本航路を増やす
2025年に日本を訪れた外国人クルーズ客は約177万人で、前年比約20%増となった。クルーズ船の寄港回数は過去最多の3117回に達した。クルーズ会社は運航規模を拡大し、旅程も多様化している。
プリンセス・クルーズは2027年、ダイヤモンド・プリンセスとサファイア・プリンセスを使い、日本で50種類の旅程、計78本のクルーズを運航する。2028年には52種類、計85本に増え、航海日数は7~29日間となる。
桜、夏祭り、紅葉、日本の多彩な寄港地を生かす
東京、大阪、広島、長崎など定番の寄港地を含む航路は多いが、旅程の組み方も多彩になっている。桜の季節や夏祭り、紅葉の時期に合わせた航路があり、1カ月近くかけて日本を一周し、最大24港に寄る航路もある。
セントラルコンサルタントのクルーズ総合研究所所長で、クルーズ業界コンサルタントの伊東弘人は、寄港地の多様性が日本の強みの1つだと指摘する。「日本は寄港地の多様性にも優れ、クルーズ会社はさまざまな港を組み合わせて旅程を設計できる」と説明している。



