「Roll(転換)」のステップこそ、リターンが複利で増えていく段階だ。SNSのスクロールは、生産性のない時間の使い方である。人生における他の活動を高めることはなく、気分を落ち込ませることが多いという点でも研究と経験が一致している。一方で、日々の学習の習慣は、彼女の次のインタビューや次の講演、次のアイデアの糧となる。すべての引き算を別の活動で埋める必要はないが、節約できた時間を賢く再投資すれば、好循環が生まれる。
なぜこれがリーダーシップの問題なのか
筆者が提唱する「3D(3次元)リーダーシップ」のフレームワークにおいて、成功は「自分(ME)」「私たち(WE)」「世界(WORLD)」という3つの次元にまたがっている。充足感のギャップは、純粋に個人的な「自分」の次元の問題に見えるかもしれない。しかし、クルーグ・フォン・ニッダの人事における長年の経験は、「私たち」の次元における課題、そして機会をも示している。
多くの管理職は技術的に優秀だったから昇進したのであり、リーダーシップを学んだからではない、と彼女は見ている。そして今、彼らは未だ学び、成長している途上にある部下たちを管理する立場にある。「すべての従業員は価値を認められたいと願っており、自らも価値を提供したいと考えている」
データによると、管理職はこの点で非常に大きな影響力を持っている。ギャラップ(Gallup)の調査では、チームのエンゲージメントのばらつきの少なくとも70%が、管理職に起因することが分かっている。また、個人として最も優秀な成果を上げた人物を昇進させることが裏目に出ることが多いという同社の指摘も、クルーグ・フォン・ニッダの主張と一致している。
管理職自身もギャップを感じている。ギャラップの「グローバル・ワークプレイス動向調査2026年版(2026 State of the Global Workplace report)」によると、エンゲージメントを高く維持しているマネジャーはわずか22%で、2022年の31%から低下している。特に低下が顕著だったのは、女性管理職と35歳未満の管理職だった。燃料切れの状態で走っているリーダーが、他人のギャップを埋めるのを手助けするのは困難だ。


