「AIの答えが正しいとは限りません。間違いに気づいて指摘すると『あ、そうでした』と平気で言ってきますから」
9月18日、藤原ヒロシは主宰する架空の大学プログラム「FRAGMENT UNIVERSITY(フラグメント ユニバーシティ)」のオープンキャンパスで壇上に立ち、最近の気づきをシェアしていた。
AIが瞬時に答えを弾き出し、タイムライン上に情報や画像があふれかえる時代。私たちが日々目にする知識や記録は、量も精度も増す一方で、その確かさは揺らいでいる。そんな現代を生き抜くための「一般教養(非一般教養)」が第2期フラグメント ユニバーシティのテーマである。
その詳細はどんなものなのか。藤原が描く現代の大学像と、これからの学びのあり方について話を聞いた。
「一般教養(非一般教養)」とは何か
2023年に開かれたFRAGMENT UNIVERSITYの第1期では、「非言語マーケティング」をテーマに、藤原自身の経験から生まれた発想法や人との協働の仕方を、本人が講義するスタイルだった。第2期は、各界のプレイヤーを“客員教授”として招き、藤原との対話を交えながら講義を進める形となっている。
カリキュラムは11月から翌5月にかけて、全9回。一般教養論(藤原ヒロシ)、部外者論(上出遼平)、反体制論(中川悠介/アソビシステム 代表取締役)、占有論(建築家 DAIKEI MILLS代表 中村圭佑)、人間論(社会学者 古市憲寿)、現代音楽論(スチャダラパー Bose)、言語化「異」論(コラムニスト ジェーン・スー)、共創論(HUMAN MADE 代表取締役CEO 松沼礼)、最終講義(藤原ヒロシ)というラインナップで展開する。

一般教養は、大学の学びの基礎とされるが、「僕にとっての一般教養は、一般的には非一般教養なので」(藤原)ということで、全体テーマは「一般教養(非一般教養)」なのだという。
客員教授や講義内容は、藤原やフラグメント ユニバーシティのチームが今聞いてみたいことをベースに決めていった。いずれも、うわべの肩書きやジャンルにとらわれず、その人にしか聞けないことを聞くものだ。
「例えば中川くんにアイドルについて聞いたり、Boseくんにヒップホップの歴史を教わってもつまらなくて。マス側にいるように見える中川くんは、実はすごく反体制な思想が原点にあるのが面白いし、Boseくんには、サンプリングとパクリの境界線なんかを話してもらうことでAIと向き合うヒントがあるかもしれない」
藤原が自ら教壇に立つ初回は、「価格と価値」を論じる。価格とは、何を基準に決まるのか。二次流通による高騰は、どこまで許容されるのか。身近な買い物を入り口に、欲望や市場の仕組みを考える。それもこれも、正解を教えるというより、問いを生む講義となる。



