新株による調達は総額の17%、残りは既存株主に渡る
Myntの株主には、中国のフィンテック大手アント・グループ(旧アント・フィナンシャル)、フィリピンの通信大手グローブ・テレコム、三菱UFJ銀行などが名を連ねる。今回のIPOでMyntが新たに発行する株式は最大16億株で、このフィンテックのユニコーン(企業価値が10億ドル[約1580億円]以上の未上場企業)が手にするのは106億ペソ(約267億円)、IPOの調達総額の17%にあたる。残りは、株式を売り出す既存株主に渡る。Myntの経営陣やアント・グループ、さらに米国の投資会社ウォーバーグ・ピンカスが運用するファンドなどである。
Myntは2025年に最高益、GCash利用者は月約4000万人
Myntによると、株式は規制当局の承認と市場環境を条件として、現地時間10月20日にマニラのフィリピン証券取引所に上場する見通しだ。
同社の2025年の純利益は、前年比56%増の173億ペソ(約436億円)と過去最高を記録した。GCashの決済取扱高が28%増の17兆ペソ(約42兆8400億円)に伸び、それに支えられて売上高も約47%増の798億ペソ(約2011億円)に拡大したためだ。
GCashはもともと、携帯電話会社グローブ・テレコムが2004年に、SMS(ショートメッセージ)を使った決済サービスとして始めたものだ。グローブ・テレコムは、財閥のアヤラ・コーポレーションとシンガポールの通信大手シングテルが共同で保有している。GCashはいまやフィリピン最大手の電子ウォレットに成長し、毎月およそ4000万人が利用している。
アヤラ・コーポレーションは、1834年にアントニオ・デ・アヤラが蒸留酒の製造所として創業した、フィリピン最古の財閥である。その後、銀行、エネルギー、ヘルスケア、物流、公益事業、不動産へと事業を広げてきた。ハイメ・ゾベル・デ・アヤラとその一族は、保有資産が28億ドル(約4424億円)にのぼり、フィリピン有数の富豪一族に数えられる。


