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2026.10.03 13:57

バルト諸国で建物の改修が都市のレジリエンスを強化する理由

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バルト諸国の既存インフラの多くは何十年も前に建設されたものであり、ソ連時代にまで遡る建物も少なくない。

現在、これらの建物は内外のインフラの老朽化に直面しており、エネルギー需要の増加にも苦しんでいる。さらに、沿岸部の洪水、激しい暴風雨、猛烈な熱波といった気候変動による負荷の増大が、これらの問題をいっそう悪化させている。

しかし、多くの場合、すべてを取り壊して建て替えることは、環境面でも経済面でも必ずしも現実的、あるいは可能とは限らない。

そのため、既存の建物を改修(レトロフィット)することは、ゼロから始めることなく、建物とその周辺環境をより持続可能な形でアップグレードする方法となり得る。

バルト諸国全域において、建物の改修は単にエネルギー効率を高めるだけでなく、既存の建物の寿命を延ばしながらインフラの脆弱性を軽減し、都市のレジリエンス(回復力)を高める手段としてますます注目されている。

不動産クラウドファンディング企業「InRento(インレント)」の創業者兼CEOであるグスタス・ゲルマナビチュスは、Forbesへの電子メールで「バルト諸国における建物の改修は、もはや単なる省エネ対策ではない。エネルギー安全保障を強化し、家庭のランニングコストを引き下げるという、より広範な都市レジリエンスのツールになりつつある」と語った。

同氏はさらにこう付け加えた。「ヴィリニュスが良い例だ。この街では新規の住宅開発に適した魅力的な土地が限られている一方で、古い建物の多くは現代の住民や購入者のニーズを満たさなくなっている。したがって、これらの建物を改修することは、持続可能性だけでなく、住居の価格妥当性(アクセシビリティ)を維持することにもつながるのだ」

ソ連時代の古い建物が抱える課題

ヴィリニュスやリガといったバルト諸国の主要都市にある、ソ連時代の古いパネル式アパート(ミクロラヨン)や商業ビルは、地方自治体に圧力をかける多くの課題に直面している。

人口のかなりの部分がこうした集合住宅に住んでいることを踏まえると、1950年から1990年の間に建てられた多くの建物は、すでに当初想定されていた耐用年数に達しているか、あるいはそれを超えている。

多くの場合、建物は構造的な劣化の加速に直面している。つまり、厚い外壁のコンクリートパネル自体はさらに数十年持ちこたえることができたとしても、配管の老朽化、単管式の暖房ネットワーク、換気システムといった内部の要素が限界を迎えているということだ。

フルシチョフ時代やブレジネフ時代初期の一部の建物では、時代遅れのアルミニウム製2線式電気システムが使用されている。これは主に、家庭でラジオと数個の電球程度しか使用しなかった時代に適したものである。しかし、現代の電気負荷がかかると極端な電圧降下が発生し、火災の危険性が高まる恐れがある。

また、住民が生活空間を広げるために壁を取り壊すなど、数々の改築を行っているケースもある。これらのアパートは狭く、壁のすべてが耐力壁である場合が多いため、このような改築は建物全体の柱の構造的な耐力安全性を著しく損なう危険性がある。

これらの建物は極めてエネルギー効率が悪い場合もある。建物の壁、屋根、または窓に十分な断熱性がない場合、膨大な量のエネルギーが漏れ出すことになり、自治体はバルト諸国の厳しく長い冬の間に、地域暖房を最大限稼働させざるを得なくなる。

また、これらの建物の多くは古い集中型の単管式暖房システムを使用しているため、住民は個々の住戸で暖房をコントロールまたは調整することができない。そのため、部屋が暑くなりすぎた場合の唯一の解決策が窓を開けることになり、自治体のエネルギーが大幅に無駄になる可能性がある。

これが結果として、現在も続くロシア・ウクライナ戦争とそれに伴うガスやエネルギー価格への影響も重なり、住民の光熱費の高騰を招くことになる。

多くの場合、夏季の気温上昇や異常気象の激甚化により、安全上の理由から、これらの建物を適切に適応させる必要性が大きく高まっている。

こうした問題を受け、地方政府は改修ソリューションにますます目を向けるようになっている。

改修がバルト諸国の都市レジリエンス構築にどう貢献するか

コストやスペース、規制上の問題から、建物をゼロから新築することが必ずしも選択肢にならないなか、多くの場合、改修がより現実的な解決策となり得る。

包括的な改修を行うことで、特にドアや窓などの重要部分を中心に、建物全体の断熱性を大幅に向上させることができる。適切な換気を促進し、暖房システムを強化することで、改修はエネルギー管理の向上に大きく貢献し、結果として家庭のコストを削減できる。

これは、エネルギーのレジリエンスを高め、エネルギー価格の高騰や供給停止の影響を和らげる上で特に重要だ。

また、太陽光パネルなどの再生可能エネルギーの要素を取り入れることも可能になり、より持続可能なアプローチが実現する。

断熱性、日よけ、換気性能の向上は、熱波や寒波、その他の異常気象時において建物をより効果的に保護することにもつながる。

しかし、これには重要な留意点があるという。建築事務所「BLUMA」のパートナーであり建築家のギンタレ・カポチュテは次のように述べる。

「建物自体のエネルギー効率は向上するかもしれないが、浸水性のない舗装によるヒートアイランド現象、植物や日よけの不足、老朽化したインフラ、そして猛暑や激化する豪雨に対処できない公共スペースに囲まれたままであれば、地域全体が強靭になるとは限らない」

同様に、より優れたエネルギー管理によって得られる運用コストの削減は、所有者、テナント、企業にゆとりをもたらすとともに、既存の建物の耐用年数を延ばすことにも寄与する。

ゲルマナビチュスは「改修は、いくつかの方向から住宅の価格妥当性を同時に守ることで、都市のレジリエンスを高める役割を果たす。住宅自体の価格が手頃な水準にとどまれば、住民は住宅ローンの返済や金利変動による圧迫を和らげることができる」と語る。

さらに、同氏は次のように付け加えた。「不動産投資の観点から見れば、都市は老朽化した地域を近代化して住みやすさを向上させ、完成までに何年もかかる高価な新築のみに依存せざるを得ない状況を緩和することができる」

改修の限界

改修は、古い建物における都市空間の不足や不十分なエネルギー管理に対処する上で大きなメリットをもたらす一方で、いくつかの課題も依然として存在する。

一部の所有者にとって改修費用が高額すぎる場合がある。特に、専門的なライセンスや規制上の承認が必要とされる場合があり、管轄地域によってはその取得手続きが複雑になることもある。

また、特に小規模な不動産所有者にとって、資金調達が容易でない場合もある。これにより、改修が主に商業的価値の高い大都市圏に集中し、農村部が取り残されるという事態を間接的に招く恐れがある。

さらに、必要なプロセスを省いた不適切な設計による改修は、水漏れやカビ、火災や電気系統のリスク、耐力壁の損傷といった重大な新問題を引き起こす可能性がある。

これらの修復には多額の費用がかかる可能性があり、その間、住民の健康や安全に対する多くのリスクをもたらすことになる。

「バルト諸国における主な課題のひとつは、その実行プロセスにある。エネルギーに特化した改修は、比較的明確で測定可能な成果目標を通じて進めることができるが、公共スペース、生物多様性、雨水管理、建築の質といった要素は、往々にして異なる機関、責任、資金調達プログラムに分断されている」とカポチュテは指摘する。

同氏はさらに次のように付け加えた。「改修は、単一の建物に対する孤立した介入として捉えるべきではない。建物のアップグレードは、地下のライフライン、公共スペース、モビリティインフラ、景観やグリーンインフラの刷新と連携させると同時に、地域社会の社会的ニーズにも応えるものである必要がある」

より強固な都市レジリエンスに向けて

バルト諸国における改修の広がりは、解決策として安易に新築に頼るのではなく、変化する環境に合わせて既存のインフラを適応させることの必要性を浮き彫りにしている。

バルト諸国や世界全体で都市や気候による負荷が激化するなか、より広範な都市計画と改修計画は、統合されたプロセスの不可欠な一部として、より緊密に連携していく必要がある。

新たなインフラを追加する前に、既存インフラの寿命を最大限に延ばすことの価値を認識している都市こそが、今後数年間にわたり、建物の老朽化、スペースの制約、そして気候変動の脅威に対処する上で優位に立つことができるだろう。

(Forbes.com 原文)

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