世界情勢が不透明さを増すなか、日本の防衛予算も拡大している。2027年度の防衛省概算要求は過去最大の8兆8900億円に上った。では日本の防衛を産業面から支えているのはどのような企業なのか。帝国データバンクは、防衛省や各地の自衛隊、防衛関連組織と直接取引のある企業を抽出し、業種や地域、売上規模、従業員規模などを分析した。その結果、対象となった防衛関連企業は全国で4628社だった。同社による防衛関連産業の調査は、2013年7月、2023年2月に続き今回が3回目となる。
防衛関連企業、建設業が最多に
業種別にみると、この10数年で存在感を高めたのが建設業だ。2013年には防衛関連企業の29.1%を占めていたが、2026年には31.5%まで上昇。卸売業の30.6%を上回り、最も構成比の高い業種となった。帝国データバンクはその背景として、2022年に閣議決定された防衛力整備計画により自衛隊施設の強靱化が進められ、既存施設の保守・更新を中心に建設需要が高まったことを挙げている。特に、中国の軍事活動の活発化や台湾情勢を踏まえて南西諸島で防衛強化が進み、沖縄県では建設業者の増加が目立った。

また3番目に構成比が大きいサービス業では、デジタル戦略の伸長などを受け、受託開発ソフトウェア業や建設関連の設計・施工管理を手がける土木建築サービス業が増加した。一方で製造業、卸売業、小売業は構成比が低下した。帝国データバンクは、防衛予算が増加するなかで契約業者の選択と集中が進んでいるとみている。
地域別では九州・沖縄の割合が上昇
地域別では、九州の構成比が2013年の15.1%から2026年には16.8%へ1.7ポイント上昇し、全国で最も伸びた。中国の軍事力強化や台湾・北朝鮮情勢への備えなどを背景に、西日本では軒並み構成比が上昇したようだ。その一方、北海道は12.1%から10.2%へ1.9ポイント低下。帝国データバンクは「この10数年で国土防衛の力点が西日本へシフトしている」と分析している。

都道府県別で特に伸びが目立ったのが沖縄県だ。2013年の3.1%から2026年には5.1%となり2.0ポイント上昇した。南西諸島の防衛強化や施設強靱化に伴う工事発注の拡大を受け、関連する企業が増えているという。ただし、沖縄県が防衛関連企業の構成比で全国トップになったわけではない。2026年時点では東京都が22.8%で最も高く、北海道10.2%、神奈川県7.5%、沖縄県5.1%と続く。沖縄県は「構成比そのものの大きさ」ではなく、2013年からの「伸び」が目立ったということだ。



