創業者にとって本当に役立つプロンプト
スタートアップの創業者にとってよいプロンプトは、ありきたりのプロンプトが抜かしてしまう事実、つまり事業の段階、トラクション、制約を最初に示す。「製品の価格をどう決めるべきか」と聞く代わりに、次のように尋ねてみよう。
「私は、立ち上げて14カ月のBtoB向け分析ツールを運営している。MRR(月次経常収益)は8000ドル(約126万円)で、月額99ドル(約1万5600円)のプランに40社の顧客がいる。大企業の見込み客3社から、年間契約にしてほしいという要望があった。2人のチームであることを踏まえて、価格体系を2つ提案し、それぞれの長所と短所を示してほしい」。
このプロンプト1つで、カスタム指示だけではできない仕事をこなせる。一般的なプロフィールではなく、今回の判断に絞った内容になっているからだ。
投資家向け報告は過去例を手本に、取締役会の準備は依頼を小分けに
投資家向けの定期報告のように繰り返し発生する作業には、手本をいくつか示してから依頼する「フューショット・プロンプティング」(few-shot prompting)が役に立つ。過去の報告のうち出来がよかったものを2つ貼り付け、同じ構成と口調で今月分の下書きを作るようChatGPTに頼めばよい。
取締役会の準備には、依頼を段階に分けて順につなぐ「プロンプトチェイニング」(prompt chaining)が向いている。まず指標の要約を頼み、同じスレッドで続けて、その要約から取締役が指摘しそうなリスクを3つ挙げさせる。最後に、それぞれのリスクへの対応策の文案を求める。大きな依頼を、つながった小さな依頼に分けること。これは事業の助言を引き出すためのプロンプトエンジニアリング(AIへの指示の出し方を工夫する技術)の要だが、1つのメッセージですべてを済ませようとする創業者は、この手順を飛ばしてしまう。
書式を組み込んだ「カスタムGPT」、チーム全員が同じ形式で下書きを作れる
目的に合わせて作り込める「カスタムGPT」を使えば、さらに1歩進められる。プロンプトの組み立てを、繰り返し使えるツールに組み込めるからだ。毎週、投資家向けの報告を出している創業者なら、自社の指標の書式と文体をあらかじめ組み込んだカスタムGPTを作っておける。そうすれば、チームのメンバーは毎回前提を説明し直さなくても、体裁のそろった下書きを作れる。(訳注:OpenAIは「カスタムGPT」の提供を2026年12月11日に終える予定で、再利用できる指示や参照ファイル、接続したアプリをまとめて使える「プラグイン」への移行を勧めている)。


