トルコは国産のシペル防空システムの最新型であるブロック3の開発を進めており、これは弾道ミサイル迎撃能力を備えたものになる予定だ。他方、ヒサル-A地対空ミサイルシステムやコルクト対空機関砲などトルコ製の短距離防空システムは、再びフーシの攻撃目標にされているサウジの重要インフラを守る地点防御の強化に役立つ可能性がある。
最近、サウジの防衛に積極的に、また目に見える形で貢献している国のひとつがギリシャだ。ギリシャは2021年、保有するパトリオット地対空ミサイルシステムの一基をサウジに配備した。ギリシャ軍が運用する同システムは9月24日、ヤンブー地域の上空で弾道ミサイル1発とドローン1機を撃墜した。
サウジがこうした防衛支援を必要としている背景には、フーシがイエメンの紅海沿岸を迅速に南下し、9月10日にイエメンの主要港であるモカと、戦略的要衝であるペリム島を占領したことがある。この電撃的な進撃により、フーシは、戦略上重要なバブ・エル・マンデブ海峡の商船通航を、より効果的に遮断できる位置を確保した。アラビア半島の反対側のペルシャ湾では、その入口にあたるホルムズ海峡をイランが封鎖しており、フーシによるバブ・エル・マンデブ海峡封鎖の動きはそれに呼応したものだ。
フーシは、自らの封鎖措置の対象はサウジの船舶に限られると繰り返し表明している。ホルムズ海峡の通航がイランによって遮断されると、サウジは大半の石油の輸出について紅海経由の迂回ルートを頼りにするようになった。しかし、この代替ルートもまた脆弱だった。アラビア半島を横断してペルシャ湾側と紅海側をつなぐ死活的に重要な石油輸送路である東西パイプラインが、北のイラクから発射されたドローンで攻撃された。攻撃はイランのイスラム革命防衛隊とフーシの調整で行われたものだった。サウジはホルムズ海峡の封鎖を回避するために東西パイプラインを利用していたが、この攻撃で一時的に操業停止に追い込まれた。
サウジの実権を握るムハンマド・ビン・サルマン皇太子は米国のドナルド・トランプ大統領に電話し、進撃を続けるフーシに対して米軍の空爆を再開するよう要請した。トランプは応じなかった。一方で米国はサウジに顧問団を派遣し、サウジの対フーシ作戦のためインテリジェンス(情報を収集・分析・評価して判断や行動に役立つかたちにしたものやその活動)やターゲティング(目標選定)に関する支援を拡大している。現時点では、米国は新たな大規模空爆作戦などの直接介入には慎重な姿勢を保っている。
したがって、サウジは防衛強化でほかのパートナー国や同盟国を頼みにせざるを得なくなっている。ただし、これらの国々も、サウジがフーシに対して攻勢に出て、その排除を進めることを支援する意向までは示していない。サウジによるフーシに対する攻撃はこれまで主に航空打撃に頼っており、少なくとも1回は中国製の弾道ミサイルを使用している。


