教育

2026.10.05 16:00

デカルトとルソーも学ぶ米大学のAI講座、思考力低下を恐れる若者たち

Gorodenkoff/stock.adobe.com

「(AI、自動車、遺伝子治療ツール、他の何であれ)何かができることを知っていても、それをどうすべきかは教えてくれない」と、カラードは電子メールで述べている。「その問いは科学的なものではなく、倫理的なものだ。倫理的な問いに対する適切な答えがなければ、その技術を進める意味はない」

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政治学と経済学を専攻し、将来は法学を学ぶ予定のチャリッシュ・ホランド(19)が春学期に同講義を受講したのは、AIが13歳の妹に与える影響に懸念があったからでもある。

「妹が自分自身の独自の考えを失ってしまうのではないかと感じている」と、同校の2年生であるホランドはインタビューで語った。ホランドは、周囲の学生たちの間でAIの利用が広く普及しているため、友人が情報を伝える際、それを検証する必要性を感じることが多いという。「聞いている内容が事実に基づいているかどうかをダブルチェックするために、自分で調べるようにしている」と彼女は言う。

講義を経て変わったAIとの付き合い方

バルッツィとホランドはともに、同校の講義が自己選択的なものであり、AIに対してとくに疑問を抱いている学生が自然に集まっていた可能性を認めている。それでも、若い世代の間で警戒感の兆候は他にも表れている。

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今年初めに実施されたピュー・リサーチ・センターの調査によると、30歳未満の成人の55%が、現在AIに対して期待よりも懸念を強く抱いていると回答した。今春に各地で行われた大学の卒業式では、AIについて言及した登壇者に対し、卒業生からブーイングや冷やかしが浴びせられる場面もあった。

講義の終了時について、「学生の多くは依然としてAIに対して冷ややかな見方をしていたが、その見方はよりきめ細かく、深まったものになっていたと言える」とエバートは語る。

バルッツィは講義を修了して以来、AIとの付き合い方を変え、アイデアの創出よりも技術的な情報の収集のために頼ることが増えたという。彼は今でも思考を補うためにAIを利用しており、時には自身の独自のアイデアを大規模言語モデルに入力し、それをどのように発展させられるか、他にどのような問いを考慮すべきかを尋ねることもある。「自分の本来の思考を損なうことなく、その手助けをしてくれるのであれば、それは良いツールになり得ると思う」と彼は話す。

彼もホランドも、講義を終えたときには答えよりも多くの問いを抱えていた。ホランドは「実はそのことにとても感謝している。AIは絶えず変化するものだから、山のような答えなど欲しくなかった」と語った。

(forbes.com 原文)

編集=鈴木喜生

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