AIについて語る最高経営責任者(CEO)と毎週AIを使うCEOとの距離、すなわち「CEOギャップ」は、2026年9月に筆者が参加したシリコンバレーのAI関連イベントのあらゆる場で話題に上った。IBMビジネス価値研究所(Institute for Business Value)の調査レポート「2026年CEOスタディ(2026 CEO Study)」によると、このCEOギャップがAI導入の停滞を招いている。経営幹部がAIに費やす時間は平均で週1.5時間にとどまり、AIを定期的に利用している従業員は25%にすぎない。
同じテーマは、HTECグループ(HTEC Group)の「エグゼクティブAIディナー(Executive AI Dinner)」、「イノベーション・イン・アクション(Innovation in Action)」、「ドリームフォース(Dreamforce)」、「AIインフラ・サミット(AI Infra Summit)」、スタンフォード大学の理事会セッション、そして「ゲットオンボード・ウィーク(GetOnBoard Week)」でも浮上した。HTECのディナーテーブルを囲んだのは、同社の最高技術責任者(CTO)であるダルコ・トドロヴィッチ(Darko Todorovic)、オートデスク(Autodesk)のマーカス・イースト(Marcus East)、コンドイト(Condoit)のCTOであるペイトン・シャーウッド(Peyton Sherwood)、そして眼科および画像診断向けのAI診断を開発している医師のマット・ラングレン(Matt Lungren)だ。
調査データがそれを裏づけている。全米経済研究所(NBER)の研究論文(ワーキングペーパー)「Firm Data on AI(企業におけるAIデータ)」によると、約6000人の経営幹部を対象に調査を実施したところ、3分の2以上が定期的にAIを使用しているものの、その時間は週平均でわずか1.5時間だった。また、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の「AIレーダー2026(AI Radar 2026)」によると、AI変革を牽引するCEOは、自身のスキル向上に週8時間以上を費やしている。
キャリア再構築を支援するリープ・アカデミー(Leap Academy)の創業者兼CEO、イラナ・ゴラン(Ilana Golan)は端的に述べた。「CEOは適応力を委任することはできない。トップにいる人間がチームの前でツールを学ぼうとしないなら、部下たちはそれを『現状維持で構わない』というサインだと受け取ってしまう」



