また、自信を持つことも大切だ。ただし、自信過剰になってはならない。興味深いことに、カリフォルニア大学が発表した新しいデータによると、AIは依存を高め自信を損なう一方で、その逆も起こし得る。AIの語り口は一般に肯定的で、あなたの優れた思考を認めるものになりやすいため、誤った自信を与える可能性があるのだ。
自信過剰を避けるには、AIがどれほど補強してくれるとしても、自分が何をうまくでき、何を改善できるのかを含め、自分の現実的な能力を明確に把握することだ。過度な依存を避けるには、AIに自動的に頼るのではなく、自分自身の思考と処理を基本に据え、仕事のプロセスのどの部分でAIを使い、どの部分では使わないのかを意図的に決めることが必要である。
全体として、自分で考え続けることだ。AIの引力に引きずられて認知的に降伏したり、思考力を弱めたりするのではなく、課題に取り組み、困難に対処し、乗り越える機会を保つことで、自らの能力を維持する。
すでにスキルを失い始めているとしても、再構築は十分に可能だ。自分の知性、知識、能力は変化し得るものであり、AIを意図的に使うことで、いつでも築くことができる、あるいは取り戻すことができると理解し、グロースマインドセット(成長思考)を保つべきである。
AI時代にさらに価値が高まる可能性のあるスキル
世界経済フォーラムの「Future of Jobs Report」による新たな調査は、AIが仕事と能力を変えるなかで、どのスキルの価値がさらに高まるかを示している。それは、AIによって損なわれ得るスキル、すなわち批判的思考、問題解決、創造性、コミュニケーションと文章力、レジリエンスである。
そこには、AIとビッグデータ、ネットワークとサイバーセキュリティ、テクノロジーリテラシー、生涯学習、リーダーシップと社会的影響力、人材マネジメント、分析的思考、環境スチュワードシップといったスキルも含まれる。
このリストにはテクノロジースキルが見られる一方で、対人スキル、相互作用のスキル、人間的スキルも重視されている。AIやその他の新技術を活用する仕事が増えるなか、技術スキルの価値は特に高い。重要なのは、PwCの報告によると、AIを取り入れた仕事は、AIを使わない仕事と比べて56%の賃金プレミアムをもたらすという点だ。
人間的スキルへの需要が高いのは、それが私たちだけが組織にもたらせる能力だからである。実際、E&Yは、ビジネス感覚、判断力、適応力を重視する人間的スキルを示す従業員に報い、評価するために、1億ドル(約157億円)を投資している。


