AIによって損なわれる可能性のある専門スキル
AIを使いすぎると、判断力、推論力、人と関わる力、コミュニケーション力、学習力といった重要なスキルが損なわれるリスクがある。AIを過度に使うことで、モチベーション、コミットメント、当事者意識、さらには自分が行った仕事の記憶さえ低下し得ることを示す証拠もある。
以下は、守るべきスキルであり、AIの使い方に意図を持たなければ損なわれる可能性のあるスキルである。
1. 批判的思考
批判的思考と判断のスキルには、証拠を評価し、前提に疑問を投げかけ、結論を導き出すことが含まれる。何に注意を向けるべきか、何が信頼に値するのかを判断するとき、また選択肢を評価して判断を下すとき、特に曖昧な状況では、批判的思考が重要になる。
批判的思考はあらゆる職位で必要だが、組織の上位職になるほど重要性が増す。リーダーシップ職に加え、コンサルティング、医療、法務、金融、人事、エンジニアリング、研究といった業界でも求められる。
AIを使いすぎると、迅速で簡単な答えが提供されることで、自分自身の批判的思考が置き換えられてしまう可能性がある。このスキルを維持するには、AIと協働し、問いを投げかけ、AIとやり取りを重ねながら、自分自身で考えている状態を保つことだ。
2. 問題解決力
問題解決力には、課題に取り組み、原因を探り、考え得る解決策を見極め、それを検証し、実行することが含まれる。このスキルは、プロセスの不具合を解消したり、新たな問題に直面したり、曖昧な状況で答えを見いだしたりするうえで重要だ。
批判的思考と同様、問題解決力もあらゆる職位で重要だが、キャリアが進むにつれてより複雑な問題に直面するようになるほど、特に重要になる。問題解決力の必要性は、エンジニアリング、IT、オペレーション、医療、製造、コンサルティング、熟練技能職といった分野で特に明確に表れる。
問題を解くためにAIへ過度に依存すると、日々の課題を自力で解決することに苦労するようになる。自分自身で深く考え、評価し、分析する。そのうえで、AIを使ってフィードバックを得たり、解決策を発展させるための質問をAIにしてもらったりするとよい。
3. 創造性
創造性のスキルとは、アイデアを生み出し、最初の草稿を作り、新たな洞察を得て、新鮮な視点を適用することだ。自分を差別化し、可能性を想像し、自分の見解を育て、イノベーションを起こすうえで重要である。
他のスキルと同様、あらゆる職位で創造性は必要だが、専門性の高い職務では特に重要だ。また、デザイン、マーケティング、広告、研究開発、戦略、起業といったキャリアでは、とりわけ創造性が求められる。
AIを使いすぎると、答えは均質化し、独自性を欠くようになり得る。AIを使う前に、アイデアを結びつけ、ブレインストーミングを行い、思考を検証することで、自分自身の創造の筋肉を働かせることが大切だ。自分の創造性を使った後であれば、AIにシナリオを検討させたり、意図しない結果や潜在的な成果についてアイデアを示してもらったりできる。


