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2026.10.02 11:00

エヌビディア支援の豪ファームス、約121億円赤字もメガIPOで約5.6兆円調達へ

Timon - stock.adobe.com

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2019年にビットコインの採掘事業者として創業したオーストラリア企業「Firmus(ファームス)」が、IPO(新規株式公開)を計画している。同社はこれまで、売上高を1度も公表していない。

ロイターが報じたタームシート(募集条件をまとめた文書)によると、ファームスは今回のIPOで約50億ドル(約7860億円)の調達を目指しているという。ブックビルディングは現地時間10月6日に始まり、10月8日に目論見書が公表され、10月22日にオーストラリア証券取引所で取引が開始される予定だ。

ロイターが米国時間9月24日に報じた目論見書草案によると、ファームスは今上半期(6~12月)に税引後で7700万ドル(約121億円)の赤字を見込んでいる。それ以降の業績予測は記載されていない。

ファームスは現在、2カ所のデータセンターを稼働し、多くの契約を獲得しているものの、これまで売上高を1度も開示していない。今回のIPOでは、こうした同社に株式市場での評価が付くことになる。そして、上場によって確実に利益を得るのが、エヌビディアだ。

契約容量は900メガワット超、評価額は8月時点の約3倍に

ファームスは、AIチップを大量に搭載したデータセンターを建設し、その計算能力を貸し出している。ロイターによると、目論見書草案には顧客としてエヌビディア、メタ、OpenAIの名前が含まれる。現在、オーストラリアとシンガポールで2カ所のデータセンターを稼働させており、さらに5カ所を開発中だが、その多くはまだ建設の初期段階にある。

同社のセールスポイントは、これまでに獲得した契約実績だ。契約済みのキャパシティは900メガワットを超えている。これは、同社のデータセンターが消費する電力規模を示す指標だ。9月には、OpenAIがマレーシアで計画中の2拠点の大口顧客として契約したことで、この水準を超えた。もっとも、そのキャパシティの多くは、まだ開発段階にある拠点向けのものだ。

ファームスの評価額は急速に拡大している。8月には、非公開市場での投資家による評価額が150億豪ドル(約1兆6600億円)だった。今回のIPOでは、売り出される株式の規模によっては500億豪ドル(約5兆5200億円)を超える可能性があり、実現すれば1990年代のテルストラに次ぐ、オーストラリア史上2番目の大型上場となる。

この価格でファームス株を購入する投資家は、売上実績を1度も確認できていない段階で、8月時点の評価額の約3倍を支払うことになる。

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編集=朝香実

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