暮らし

2026.09.30 19:15

畳のある空間で集中力にも変化、い草の「なんとなく心地いい」を九州大学との共同研究で科学的に検証

プレスリリースより

い草の香りにも高い評価

い草の特徴のひとつがその独特の香りだ。今回の研究では参加者による主観評価において、い草のある環境はポリプロピレン製ござを使用した環境と比較し「香りが好ましい」「リラックスできる」という項目で高く評価された。また実験を行った空間の空気を分析した結果、い草に特徴的な揮発性成分も確認された。これまで「なんとなく好き」「なんだか落ち着く」といった感覚で語られることが多かったい草の香り。今回の研究はこうした主観的な心地よさを心理評価や脳活動などのデータから検証したことになる。

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伝統素材の価値を科学的に捉え直す

い草は、1400年以上前から日本の暮らしの中で使われてきた伝統素材だ。その魅力はこれまで文化や伝統、肌触り、香りといった感覚的な心地よさを中心に語られてきた。今回の共同研究では、心理評価や脳活動、認知課題への反応、空間中の成分分析など、複数の視点からい草のある環境を検証した。イケヒコ・コーポレーションは、今回の研究結果から、い草を取り入れた空間が、仕事や勉強に集中する時間と、休息する時間の両方を支える可能性があるとしている。

昔の文豪が畳の上に座り、原稿用紙に向かって小説を書いている姿を思い浮かべると、集中して何かに取り組む場所として、畳のある空間が選ばれてきたことにも改めて目が向く。もちろん、文豪たちが畳の効果によって執筆に集中できたと証明されたわけではない。それでも、古くから日本の暮らしに根付いてきた伝統素材の心地よさを、科学的な視点から捉え直した今回の研究は、現代の住まいや働く環境を考えるうえでも興味深い。

研究論文:九州大学大学院農学研究院とイケヒコ・コーポレーションによる共同研究論文(Scientific Reports)

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プレスリリース

文=福島はるみ

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