学術誌『Journal of Personality and Social Psychology』に2022年に掲載された研究では、一連の実験を通じてこの仮説を検証した。その結果、人々は一貫して、深い会話は実際以上に気まずいものになると予想し、深く語り合うことによってどれほどつながりを感じられるかについて過小評価していることがわかった。見知らぬ人同士の会話でも同様の傾向が見られている。
別の研究で心理学者は、「好感度ギャップ」と呼ばれるものを説明している。実際にはさほどでもないのに、自分は相手に好かれていないと思い込んで会話を終える傾向のことだ。その思い込みはたいてい間違っており、その結果、次の会話で必要以上に気を使ってしまう。
実際問題として、これは1つの小さな変化で解決できる。相手が明らかに気にかけていることを口にしたときは、次の無難な話題に移るのではなく、そのことについて尋ねてみる。そうすると、その夜はもっと楽に過ごせるようになるだろう。なぜなら、本当に負担が大きいのは話すことではなく、自分や会話を監視し続けることだったからだ。
習慣3:周囲に求められていると思う「自分」を演じるのをやめる
感情労働を研究する心理学者は、他人の前で感情を扱う方法として次の2つを区別している。
1. 表層演技:実際には感じていない感情を装う
2. 深層演技:その感情を本当に感じられる状態へ自分を導くことであり、たとえば友人に「よかったね」と伝える前に実際にその友人のために喜ぶ
人を消耗させるのは表層演技の方だ。学術誌『Public Administration』に2023年に掲載された研究では、表層演技はバーンアウト(燃え尽き)と関連していた一方、深層演技にはそのようなコストは見られなかった。自分の本心と表に出している姿とのギャップを維持し続けなければならず、それを維持するには努力が必要になる。そして、帰宅途中の電車や車の中でその負担に気づく、ということが多い。
これは職場だけの問題ではなく、大半は仕事以外の場面で起こる。友人の近況に対して無理にテンションを上げる、さほど面白くもない話に笑う、以前聞いたことのある話に興味がある素振りを見せるなど、それぞれは些細なことだが、一晩のうちにいくつも重なると、人付き合いにうんざりする。
表層演技の中には避けられないものや、ごく普通の親切心によるものもある。だが、温かくて偽りのある言葉の代わりに、ささやかな真実の言葉を口にする余地は、多くの人々が思っている以上にある。「疲れているけれど、あなたに会いたかった」と、友人に伝えることにはほとんど労力はかからない。そして、そう言ってしまえば、その夜の残りの時間は演技を続けなくて済む。


