AIが「正解を返してくれる」時代に、気をつけたいこと
この流れをさらに後押ししているのが「生成AI」だ。
若者はAIツールを、仕事のサポートから日々の悩み相談まで、あらゆる決断のときに使うようになってきた。もちろん「私の顔のどこを変えればいい?」もそのひとつだ。
個々のサイトを自分で読んで正解を探さないといけないネット検索とは異なり、AIを使えば膨大なデータ群から取捨選択された「もっともらしい答え」がまっすぐにもらえる。
文芸評論家の三宅香帆さんは著書『考察する若者たち』にて、AIを「正解を提示する疑似親」と表現している。
「私たちはいま、AIを疑似親として求める。〈中略〉だってAIに何かを問いかけると、絶対に『答え』を返してくれる。AIは働きかけると必ず何か返してくれる。報われる。相談すればするだけ、いろんなことを教えてくれる」 (三宅香帆『考察する若者たち』PHP新書、2025年)
念のため言っておくと、AIに相談すること自体は、悪いことでもなんでもない。迷ったとき、考えを整理してくれる相手がいるのは心強い。
危ういのは、返ってきた答えを「正解」だと信じすぎることだ。
それでも選択を誤ったなら、それは自分の努力不足ではないか。
そんな圧が、静かに強くなっている。


