映画

2026.10.03 16:00

『スタートレック』放送開始から60年、AI時代にこそ学ぶ教訓

Willrow Hood - stock.adobe.com

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地球の成層圏の彼方にある、暗闇に包まれた未知の世界、宇宙空間へと旅立つ興奮を想像してみてほしい。

人類が月面着陸を目撃することもなく、インターネット上の無数の本物の宇宙写真を眺めたこともなかった時代の人々が抱いた、畏敬の念を想像してみてほしい。『スタートレック(Star Trek)』の全米放送がスタートした1966年9月8日(カナダでは9月6日)当時、宇宙は異郷であり、人々の想像力をかき立てる広大な未知のフロンティアだった。

この記念すべき周年にあたり、時代を超えてアメリカ人の意識にしっかりと根付いているこの番組の始まりを振り返るのも一興だ。米国の宇宙飛行の遺産となるケープカナベラルから打ち上げられるロケットではなく、どの惑星の支配からも解き放たれ、宇宙の深淵と彼方を巡る宇宙船が主役だったのだ。

始まり

生みの親であるジーン・ロッデンベリー(Gene Roddenberry)の野心的な構想の性質上、番組が最初に放映されたNBCで受け入れられるまでに時間がかかったこと、そして現実的に言えば、危うく放送されないところだったことは特筆に値する。

その原因は最初のパイロット版にある。スタジオ側からの初期の批判リスト(Wikipediaから引用)を見てみよう。

「知的すぎる」「理屈っぽすぎる」「テンポが遅い」「アクションが足りない」

惑星連邦を国際連合になぞらえるといったアイデアで視聴者に挑戦しようとしていたロッデンベリーは、おそらく「おっしゃる通り」と答えただろう。

しかし、そこに救世主となるヒロインが登場した。『アイ・ラブ・ルーシー(I Love Lucy)』の「赤毛のおてんば娘」として一世を風靡したルシル・ボール(Lucille Ball)だ。彼女は夫であり共演者でもあるデジ・アーナズ(Desi Arnaz)とともに「デシル・プロダクション(Desilu Productions)」というスタジオを立ち上げていた。彼女はその影響力を行使して、2作目のパイロット版の制作を承認させた。この挑戦が火種となり、現在も私たちが祝い続ける息の長い大ブームが巻き起こった。勇敢な乗組員たちに乾杯する際には、ぜひこの歴史に思いを馳せてほしい。

想像力と世界

『スタートレック』と現実世界の両方の軌跡を振り返ると、「原爆の父」ことロバート・オッペンハイマー(Robert Oppenheimer)が引用したヒンドゥー教の聖典『バガヴァッド・ギーター』の一節を好意的に反転させて、「我は想像力なり、世界の創造主なり」と表現できるかもしれない。

『スタートレック』は、科学と探査がもたらす肯定的な成果について考えさせてくれる番組だ。そのため、AI時代を迎えるにあたり、そうした考え方は大いに役立つ。規制や熟考、警戒なしに進むべきだという意味ではない。劇中の宇宙飛行士たちと同様に、私たちも暴走するテクノロジーによって必要な資源を枯渇させられるリスクを抱えている。しかし、それは私たちが、かつて誰も行ったことのない場所へと「大胆に突き進む(go boldly)」ことができることを意味している。未来へ向かって。そして、どの世代も常にそうしてきた。ただ、現代の技術は非常に強力であり、驚異的なペースで進化しているため、私たちの未来が極めて不確実なものになっているだけだ。

スポックと人間の仲間たちが宇宙を放浪する中で、彼らは新しい種族、新しい生態系、そしてそれまでの常識を覆す新しい物語に遭遇する。私たちの世界も、ある意味でそのような場所になりつつある。そこをうまく航海するためには、可能性への期待と目的意識が必要だ。

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