ヴィクトリアズ・シークレットがテレビの放映枠を買うのではなく、CBSが実質的な1時間のインフォマーシャル(宣伝番組)を放送する権利のために、同社に年間100万ドル以上を支払っていると言われている。昨年は、きらびやかなランウェイでテイラー・スウィフトが熱唱し、最前列では野球界のスーパースターであるロビンソン・カノやマルーン5のボーカル、アダム・レヴィーンらが目を輝かせる中、さらに数百万人がテレビで見守った。
このスペクタクル(ファッションショーというより、もはやパンティー・パーティーだ)は、他のすべてのファッションショーを合わせたよりも多くの視聴者を惹きつける。モデルたちが多数のフォロワーを抱えるソーシャルメディア上では、その影響力は何倍にも膨れ上がる。モデルたちのアカウントを合算すると、ヴィクトリアズ・シークレットはTwitter上で3300万人のフォロワーを持ち、これはTwitter社自身のフォロワー数をも上回る。
幸福への苦悩とリーダーシップの探求
創業から51年、多くのことが変わったが、何よりも変わったのはウェクスナー自身である。キャリアの初期、彼は週90時間も働き、それ以外の時間は何もなかった。60年代や70年代のお気に入りのバンドや映画は何かと尋ねても、彼は首を振る。「映画や音楽、当時何が起きていたかについてはほとんど覚えていません」と彼は言う。「30代前半になる頃には、あらゆる基準から見て私は大成功を収めていました。しかし、ビジネスの達成や収入の蓄積という点で成功すればするほど、私は無力感に苛まれ、不幸になっていったのです」
会社が成長するにつれ、周囲の人間は彼を偉大なリーダーだと言い始めた。しかし本人はそうは思っていなかった。背も高くなく、社交的でもなく、特に高学歴でもない。そもそもリーダーとは何なのかさえ確信が持てなかった。
そこで彼は教訓を求め、読書を始めた。仕事の後、ジョージ・ワシントン、トーマス・ジェファーソン、ジョン・D・ロックフェラーといった米国のアイコンたちの伝記を読み漁った。彼が見出したのは、最も偉大なリーダーたちは大局観を持ち、社会を理解しており、そして決して「週90時間」も働いてはいなかったということだ。「もし鼻をずっとグラインダー(仕事)に押し付けていたら、鼻そのものがなくなってしまいますからね」とウェクスナーは語る。
彼はビリオネアの予算で趣味を探し始めた。世界をもっと見たいと思い、「リミットレス(無限)」と名付けられた約2億ドルの特注ヨットを購入。美術館に通い、ドガ、デ・クーニング、ピカソなどお気に入りのアーティストを見つけ、世界最大級のアートコレクションを築き始めた。店舗の在庫を絞り込んだのと同じように、最終的にはピカソに焦点を絞り、可能な限り多くの作品を購入した(フォーブスの推定では、彼のコレクションは10億ドルの価値がある)。
また、車、特にメルセデス、ジャガー、フェラーリも好み、最初は100台ほど購入したと言われているが、後に1950年代から60年代半ばに製造された赤いフェラーリだけに絞り込んだ。「それが私の考え方なのです」と彼は言う。
「パノラマのような広い視野を持ち、そこから一点にズームインしていくような感じです」
ウェクスナーの最も長く続いている執着は、「リーダーシップの定義」を探求することだ。ピュリッツァー賞を受賞した歴史家デヴィッド・マカルーのような友人から推薦を受け、年間100冊の本(すべてノンフィクション、主に伝記)を読破している。過去100年間に書かれたジョージ・ワシントンに関する本はすべて読んだと豪語する。「彼は驚くほど魅力的です」とウェクスナーは語る。
「ジョージ・ワシントンはこの国を建国しましたが、それでも彼は『自分はもっとうまくやれる』と考えていたのです」
CEOとして51年が経ち、引退を考えているのだろうか。この質問が来ることを分かっていたように、彼は微笑んだ。妻が初めて引退を勧めたのは10年前であり、投資家たちはそれ以来ずっと後継者計画について尋ねてきている(4人の子供のうち一番上はまだ大学生で、事業を継ぐには若すぎる)。しかし、いつものように彼は明確な答えを出さない。代わりに、膝の上に置かれた書類に手を伸ばし、サミュエル・ウルマンという20世紀初頭の作家が書いた「青春(Youth)」という詩のコピーを私に手渡した。
「青春とは人生のある時期ではなく、心のあり方を言う」と私たちは静かに読んだ。
「年月は皮膚にシワを刻むかもしれないが、情熱を失うことは魂にシワを刻む... 60歳であろうと16歳であろうと、すべての人間の心には驚異への誘惑、次に何が起こるかという尽きることのない子供のような探求心、そして生きるというゲームへの喜びがあるのだ」
ウェクスナーは顔を上げ、にっこりと笑った。「自分を狭い箱に閉じ込め始めれば、人生は閉ざされてしまいます」と彼は言う。
「常に『次』があることを、私は願っています」
(forbes.com 原文)


