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2022.01.24 17:00

「ハイテク貨物列車」で物流を変える、SpaceX出身者たちの挑戦

Aleksandar Malivuk / Shutterstock.com

ロサンゼルス本拠のスタートアップ「パラレル・システムズ(Parallel Systems)」が水面下で開発中の電動貨物列車は、米国全土をゆっくりと走行するディーゼル貨物列車を過去のものにするかもしれない。同社は、貨物列車の未来はバッテリー駆動の自律走行型列車にあると考え、既存の線路を活用して貨物輸送量を大幅に増やすことを目指している。

パラレル・システムズの創業メンバー3名は、CEOのMatt Souleを含め全員が元スペースXのエンジニアだ。既存の貨物列車が150両以上の編成であるのに対し、同社は50両以下の小型で柔軟なゼロエミッション列車を高頻度に運行させることを目指している。

このアイデアが、Anthos CapitalやCongruent Ventures、Riot Ventures、Embark Venturesなど技術志向の強いベンチャーキャピタルの目に留まり、パラレル・システムズは最近4960万ドル(約56億円)を調達した。同社は、この資金を使って未来型列車のプロトタイプとソフトウェアを改良し、将来的に物流の担い手をトラックから列車にシフトさせたい考えだ。

「鉄道は、トラックに比べてエネルギー効率が格段に高い。現状の貨物鉄道はディーゼル機関車を使っているが、それでもトラックから鉄道に転換することで脱炭素化が図れる。我々は、鉄道が対応できる市場を開拓し、鉄道を電化することでさらなるCO2排出量の削減を目指したい」とSouleは語った。

トラックによるCO2や排ガスの排出を削減するため、イーロン・マスク率いるテスラやダイムラー、現代自動車、ボルボ、GMなどの企業が、バッテリーや水素で駆動する大型トラックの商用化を競っている。Souleによると、全米を横断する14万マイルの線路を使えば、大型トラックの車両総重量の上限である8万ポンド(約36トン)よりはるかに多くの貨物を輸送することができるため、高速道路に比べて有利だという。
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編集=上田裕資

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