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2020.06.18 16:00

本家トゥールビヨンモデルがさらなる進化を遂げた


3つの複雑機構を併載したモデル


そのマリーンの新作「マリーン トゥールビヨン エクアシオン マルシャント 5887」は、トゥールビヨンに加え、パーペチュアルカレンダー、イクエーション・オブ・タイムという、これも難しい複雑機構を併載しているから驚きだ。



まずイクエーション・オブ・タイムだが、これは「平均太陽時間」と実際の太陽の運行に基づく時間である「真太陽時間」との差のことをいう。1日とは、太陽がある地域の子午線を通過して、またそこを通過するまでの1周の時間である。

しかし、地球も他の太陽系の惑星と同様に、太陽の周りを完全な円軌道でまわっている訳ではなく、楕円の軌道を描いている。さらに、地球の自転軸が傾いていることによって、子午線から子午線までの一周の間隔は、必ずしも一致しない。つまり、1日の長さは毎日変化をするのである。

ようは1日の長さが一定しない「真太陽時間」は、時間の単位として使うことができないのだ。そこで単位として使われたのが「平均太陽時間」。常に一定の速度で赤道上を移動する太陽を仮定して定めた単位で、これリーガルタイムとも呼ばれるものだ。1年の長さを平均化し、毎日の長さが同じになるように計算上定めた太陽時間で、現在私たち全世界の人々が使用している時間なのである。

ブレゲを含め製作しているブランドがほんの数社に限られる、とても難しい技術であり、とくにこのモデルは、通常+、-で表されるのを、針で表現した稀少なモデルでもある。ちなみに「真太陽時間」がもっとも長いのは+14分、もっとも短いのが-16分である。
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文=福留亮司

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