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2019.02.20 07:00

米国内90%をカバーする「ご近所SNS」をイタリアへ、24歳の挑戦

Nextdoorイタリア支部トップ、アメデオ・ガラーノ

米国の調査会社「Pew Research」の過去の調査結果によると、米国のインターネットユーザーの28%が地域情報の配信アラートに登録しているのに、同じく28%は隣人の名前を1人も言えないという。

この「地域情報に興味はあるが、実際にはつながっていない」という状況の中、2011年、ご近所専門SNSとも言えるプラットフォーム「Nextdoor」が米国で公開された。

現在ではオランダ、イギリス、ドイツ、フランス、スペイン、オーストラリア、デンマーク、スウェーデン、そしてイタリアで使われている(日本でも立ち上げ予定だが、詳細は未公開)。米国ではすでに国内90パーセントの地域がカバーされており、現在、全世界で登録されている地域は17万5千以上という。

「Nextdoor」は、まさに「隣人どうし」のコミュニケーションを前提にしたローカルネットワーク構築のためのSNSだ。きわめて限定的な地域固有のネットワークが作成でき、そのネットワークは住民が管理する。

住所の認証手続きをし、本名で登録を済ませると、地域のイベントや「Buy(買う)」「Sell(売る)」「Free(無料)」といったマーケットプレースや地図情報を始め、「優秀なベビーシッター」となどのサービス情報や、病院、学校などの近隣リソースにアクセスが可能になる。また災害時には、避難場所情報も共有できるという。

「SNSというより、社会的インフラであり、ローカル・コミュニティである」このユニークなSNSをイタリアに根付かせようとする人物がいる。「フォーブス・イタリア」によるインタビューの翻訳許諾を得たので、以下掲載する。


「Nextdoorは、住んでいる地域内で使えるプライベート・アプリケーションです。近所に住む人たちに物理的な集いの場を提供し、実際の生活の中でつながり合ってアイデアを共有したりイベントを計画したりしてもらえます。具体的には、いいベビーシッターを見つける、あるいは近隣住人に声をかけて、その地域のトラブルについて話し合う、といったこともできるんです」

こう語るのは、24歳のイタリア人、アメデオ・ガラーノ。アメリカではすでに高い人気を博すこのアプリケーションを、イタリアで広めようと決意した人物だ。

筆者と彼は、Nextdoor本部のあるサンフランシスコで落ち合った。まさに才能とパッション、クリエイティビティのるつぼのような都市だ。ガラーノは、サンフランシスコとヨーロッパを仕事で往復する日々を送る。そんな彼は、ハイテクオタクであることに加え、食べることが大好きという一面もあるという。旅をして、土地のグルメに舌つづみをうち、新しいトレンドやアイデアを発見することに夢中だ。

「目下、ミラノ、サンフランシスコ、アムステルダムを忙しく移動する生活ですが、いずれはイタリアに戻りたいとずっと考えてきました。イタリアのあたりまえの日常が好きなんですよね。毎朝コーヒーを飲んだり、安心できる肉屋で肉を買ったり、近所のピザ職人にあいさつがてら『いつものやつ』を注文したり。こういう生活をあきらめるつもりはありません。今のところ、イタリア以外の国は視野に入れていないですね」
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翻訳=大村紘代 編集=石井節子 写真=Forbes Italia提供

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