VPNはプライベートサーバーを通じてネットに接続する技術で、利用すれば自分の通信履歴を隠すことができ、ネット利用者なら誰もが持つべきツールだ。
米国での規定撤廃の恩恵を受けるのはプロバイダー側であり、一定の知識がある人であれば、これが自分の利益にならないことはすぐに分かるだろう。
これは、米国以外の国の人々にとっても重要なのだろうか? 今のところ、欧州の通信会社は顧客のプライバシー保護・管理の必要性に対する意識が比較的高いようだが、金さえあれば何でも手に入れられるようにも思えるこの時代、自分の身を守る対策をしておくことは無駄ではない。
テクノロジーを使って自分の個人情報を守ることはできるのか? 信頼度の高いメディアの中でも「VPNは議会のネットプライバシー保護撤回からあなたを守らない」(ワイアード誌)といった不安をあおる見出しが躍っているが、少なくともテクノロジーが対策の一助となることは確かだと思われる。
まずは、主要なウェブサイトとの通信を暗号化するブラウザー拡張機能「HTTPS Everywhere」をインストールしよう。また、使用するブラウザーを無料VPN機能のあるオペラに乗り換えることもできるが、それよりもきちんとしたVPNサービスを見つけることをお勧めする。インターネット接続料の上にさらに追加コストがかかるが、価格に見合う価値はある。
公共や共有のWi-Fiを使用するだけでも非常に高いリスクがあることも、VPN導入の十分な理由となる。自分は標的になるような重要人物でないと思うかもしれないが、私たちは皆、問題を引き起こしたり、誰かの関心を引いたりするデータをどこかの時点でやり取りしているという事実を、心に留めておくべきだ。