Dialpadは企業人たちの働き方を一変する。例えばチームで使用するとどうなるか。各ユーザーはMicrosoftのOffice 365やGoogleのG Suiteのアカウントでログインすれば、社内は当然、国内外にメンバーが散っていても、各自の好きなデバイスで社内外からの電話を受けることができる。また、部署ごとに番号を設定しメンバーたちのデバイスを同時に鳴らすことも可能だ。
他にもオフィスに出社せずに、コールセンターや会社代表にかかってきた電話を、各自のPCやモバイルデバイスなどで着信し、対応することも。BYODも可能だ。
さらには日々使っているOffice 365やG Suiteといったグループウェア、セールスフォース等のCRMと連携し、即座に表示されるさまざまな情報を見ながら、よりリッチでハイコンテクストなコミュニケーションが取れる。ボイスメールも自動でテキスト化され、もはや聞く必要すらない。こうした画期性について、Dialpad Japan President・安達天資に話を聞いた。
「オフィス開設の際、高価なPBX購入と電話回線並びに配線工事を業者に依頼することが当たり前でした。あらゆるものがデジタルで利便性を高めているなか、実は電話というツールは進化していなかったんです。よく言われるクラウドPBXというのは、実はPBXをデータセンターでホスティングしているだけ。我々のインフラは機器に全く依存せず、Google Cloud Platform上に構築されたスケーラブルで完全なるクラウドです。テクノロジーもWebRTCなど、最先端のWEB技術で固めており、レガシーな電話起点の発想はゼロ。SaaSなので機能が日々進化していくのもユニークです」
確かに営業時間のアナウンスを変えるだけでもベンダーに依頼するという状況はいかにも昭和的。チームの交流のために全員で食事に行きたくても誰かが残って電話番をしなければならないという状況は、滑稽さを感じてしまうほど、アナログな感覚だ。
「さらに重要なのは機会損失です。かかってきた電話の要件をポストイットで営業マンのデスクに貼っておいたことで対応が遅れ他社に仕事を奪われてしまう、ということは日常的にあると聞きます。それらは全て、ビジネスにおける音声コミュニケーションが時代に追いついていない証拠と言えるでしょう」
◎Dialpadのインターフェース、あらゆるスクリーンで即座に利用できる。
米国でDialpadをスタートアップさせたクレイグ・ウォーカーはVoIP企業をいくつも立ち上げた音声コミュニケーションのエキスパート。メール、チャット、スケジュール共有、クラウドでの共同作業など、ビジネスツールは次々と進化を遂げてきたが、音声だけが、取り残されていると考えていた。
「企業に残された最後の箱物を無くし、これからの時代に求められるビジネスコミュニケーションをゼロからリデザインしたい、その想いに強く共感しました。だから日本進出を自分がやりたいと心から思ったんです」