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2016.12.02

退任表明のスタバCEO、今後は「米国のためにも活動」 政界進出は否定

ハワード・シュルツCEO (photo by Mike Pont / gettyimages)

スターバックスは12月1日、ハワード・シュルツ最高経営責任者(CEO)が2017年4月3日付けで退任することを発表した。その後は常勤会長として同社にとどまり、新たな戦略的イニシアチブを取る役割と、高級コーヒー豆を扱うラインの「スターバックス・リザーブ・ロースタリー」の事業拡大に専念する。

後任には、ケビン・ジョンソン社長兼最高執行責任者(COO)が就く。シュルツは発表文で、「小売業界における革新の中でスターバックスが起こす次の波に目を向けている。私のパートナーであるCOOのケビン・ジョンソンが後任となってくれることを、嬉しく思っている」と述べた。

スターバックス成長の立役者

自ら財をなした富豪の一人である63歳のシュルツは、二度にわたってスターバックスのCEOを務めた。業務運営とマーケティングの責任者として同社に入社したのは1982年。だが、1983年に旅行先のイタリアで同国のコーヒーに心を奪われ、それをきっかけに退職。コーヒーショップ「イル・ジョルナーレ (Il Giornale)」を自ら立ち上げた。

その後、1987年にスターバックスを買収。CEOに就任すると、1992年には上場を実現させた。そして2000年4月、同社のグローバル戦略に専念するとして退任した。

2008年1月にCEO職に復帰したシュルツは、同社を評価額およそ850億ドル(約9兆6,700億円)の大企業にまで育て上げた。最初に入社した当時にはわずか4店だった同社の店舗数は、現在は2万5,000店ほどにまで増えている。また、コーヒーにとどまらず、紅茶ブランド「ティバーナ(Teavana)」も展開。温かい食事の提供も始めた。スターバックスは、モバイル端末を通じて注文を受け付けるサービスを他に先駆けて開始した企業の一つでもある。

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編集 = 木内涼子

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