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2024.04.29 17:45

アルツハイマーの根本治療に一歩前進 鍵はMARK4

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アルツハイマー病の原因はアミロイドベータというタンパク質の蓄積だとされているが、もうひとつ、病変したタウタンパク質の蓄積もある。それを排除する治療法は研究されているものの、そもそもそれが起きる仕組みはわかっていなかった。東京都立大学の研究チームは、その蓄積を阻害する酵素に着目。マウスの実験で、その効果を確認した。アルツハイマー病の根本治療につながる発見だ。

タウタンパク質は脳の神経ネットワーク構築に欠かせない要素だが、リン酸化によって凝集して沈着(タウオパチー)することで毒性化し、脳細胞を殺して、脳を萎縮させる。そのリン酸化を媒介する酵素としてMARK4が知られているが、研究チームはMARK4を欠損させたマウスではタウオパチーが減少することを確認した。

タウオパチーのあるマウスは、認知機能の低下を起こし、早死にしてしまう。それを、MARK4を作る遺伝子を持たないマウスと掛け合わせ、MARK4欠損マウスを作った。すると、MARK4欠損マウスはMARK4を持つマウスと比べてリン酸化タウが少なく、認知症状や寿命に改善が見られた。またMARK4欠損マウスは、タウを発生させても多くの脳細胞が維持され、さらにアルツハイマー病の原因のひとつであるグリア細胞の活性化も抑えられていた。

MAKR4欠損マウスは正常に発育していて、MARK4が欠損していても大きな副作用はないことが示唆されるという。したがって、MARK4を阻害する薬ができれば、アルツハイマー病やタウオパチーによるその他の疾患の根本的な治療が期待できるということだ。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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