8. アモイトラ(絶滅危惧)
アモイトラは、しばしば「実質的に野生絶滅状態」とみなされる。1990年代以降、野生生息地での観察例がないためだ。かつては中国南部に広く分布したが、20世紀なかばに中国政府が展開した捕食者根絶プログラムにより激減した。
ごく少数の飼育個体が、主に中国の動物園に残されているものの、近親交配と遺伝的多様性の減少に直面している。再導入の試みはあるものの、野生個体群は確認されておらず、アモイトラの未来は暗い。
9. スマトラトラ(絶滅危惧)
スマトラトラは、トラの現生亜種のなかで最小サイズであり、インドネシアのスマトラ島にのみ分布する。断片化した森林生息地に残された個体数は400頭を切っており、絶滅寸前の状況だ。
違法伐採、人間活動の拡大、密猟により、スマトラトラは激減した。それでも、インドネシアでは保全上重要な種として優遇されており、いくつかの保護区が確保されているほか、国際的な注目も高まっている。



