『Hellblade II』も危うい? 『HI-FI RUSH』開発元のサプライズ閉鎖で懸念広がる

安井克至
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(c)Ninja Theory Ltd.

リズムアクションゲーム『HI-FI RUSH』を開発したTango Gameworksを閉鎖するというマイクロソフトの決定は、たとえ高い人気と評価を得たゲームを作ろうが、そしてXbox部門の幹部から直々に「期待以上の出来」だと褒められようが、最終的にはスタジオが閉鎖される可能性があるということを示した。

こうした中、Xbox部門幹部のマット・ブーティからは、とんでもなく不可解な発言も飛び出した。ブーティは社員向けのタウンホールミーティングで、Xboxには今後「高い評価と賞を得られる小さなゲームが必要だ」と語ったとされる。この発言に対し、『HI-FI RUSH』はまさにそのようなゲームだという批判が殺到。さらにこれを受け、高い評価と賞を得られるかもしれない別の小規模なゲームにも注目が集まっている。『Senua's Saga: Hellblade II』だ。

『Hellblade II』は才能あふれるゲーム開発スタジオNinja Theoryによるタイトルで、2017年に発売された『Hellblade: Senua's Sacrifice』の続編だ。レビューでは高い評価が期待できそうだが、規模が小さいゲームであるため、大ヒット作にはならないだろう。このことから、たとえマイクロソフトが同作を高く評価し、「プレイヤー関連の数値」でよい結果を残したと言ったとしても、Ninja Theoryが閉鎖されたり、従業員がより大きなスタジオに送り込まれて別の巨大IPタイトルの開発に回されたりするかもしれない、という懸念が生じている。ブーティが、今後のXboxはより大きなシリーズ作品に注力する意向を示していることも、こうした不安をあおっている。

『Hellblade II』の問題は、マイクロソフトが小規模なゲームに大きな期待を寄せているとみられるのにもかかわらず、本作が成功するためのマーケティングを十分に行っていないように思われることだ。1作目は、発売から4年間で630万人のプレイヤーを獲得したことが公表されている。だがこれはあくまで、売り上げではなくプレイヤー数だ。1作目はXboxに加え、PlayStation、PC、Switchで発売され、2018年からはサブスクリプションサービスの「Xbox Game Pass」でもリリースされた。
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翻訳・編集=遠藤宗生

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