働き方

2024.04.01 10:30

週休3日制は「生涯現役」につながる、仕事が楽しいものになる

安井克至
1886
週休3日制の労働者が理論上、労働時間を減らすことができる理由を忘れないでほしい。それを可能にしているのは生産性だ。かつてしなければならなかったことをテクノロジーが私たちの代わりにやってくれるようになり、私たちはますます何かに特化できるようになっている。そして、本当に得意なことをするときは少ない時間で多くのことを達成できる。短時間労働は専門性の高まりの結果であることにほかならないということになる。

これらはすべて、労働日数が減っているにもかかわらず、米国人がこれまで以上に働くことになる理由を物語っている。自分を強くし、高めてくれることをしているとき、仕事と呼ぶものはますます、まったく仕事とは感じられない性質を帯びるようになる。歌手の故トニー・ベネットは自身の代表曲『想い出のサンフランシスコ』を歌い飽きないと語っていた。当然のことながら、ベネットは歌うことが嫌になったりはしなかった。ベネットは類まれな才能を披露する「仕事」をしていた。

もちろん、テクノロジーによって仕事の悪い部分から解放され、自分にとって唯一無二のことに集中できるようになる未来では、ベネットにとってのヒット曲を歌うことのように、自分の「仕事」をとらえる人が増えるだろう。仕事は私たちの最も輝かしいスキルを前面に出し、それは仕事をしていないときでも仕事をしていることを意味する。

どこにいても仕事ができるスマートフォンやその他の端末のおかげで、私たちはすでにこうした状況を目の当たりにしている。休暇をとったり、娯楽を楽しんだりすることは増えても、活力をくれる飽きることのない仕事から決して切り離されることのないよう、端末は進化していくはずだ。

米国人は引退のための資金が十分でないと心配性の人(心配することが職業になるだろうか。当てにしよう)は言っているが、上記のことを心に留めておいてほしい。もちろん、引退資金は持っていない、仕事を止めるつもりがない場合、引退のための資金をもったりはしない。仕事は楽しいのだ。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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