暮らし

2023.12.24 16:00

夫婦関係の破綻を招く5つの要因 心理学者が対策を解説

遠藤宗生
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4. 外的要因による悪影響

外部からもたらされる影響や苦境は、夫婦の調和的関係を大きく左右する。家族を亡くしたり、慢性的な健康問題を抱えたり、お金のやりくりに苦労したりといった苦しい状況は、たとえ固い絆で結ばれている夫婦であっても容易なものではない。こうした状況によって、パートナーの精神状態が不安定になったり、夫婦がうまく意思疎通を図れなくなったりすることがある。

では、外的要因による出来事の影響を最小限に抑え、夫婦の絆をいっそう強めるにはどうすればいいのだろうか。その対策をいくつか紹介したい。

・率直に話ができるよう、感情的に安全な場を確保する。互いを支え合ったり、外部に助けを求めたりしよう。

・共通の対処メカニズムを確立するために、一緒に何かをしたり、新しい趣味を始めたり、グラウンディングやマインドフルネスといった精神安定テクニックを実践したりする。問題が起きたら、成長して学びを得るための機会として捉えよう。

・困難な出来事に遭遇した場合は、役割や責任、期待を変更したり、柔軟に対応したりすることがしばしば必要になる。一つのチームとして変化をオープンにとらえることができれば、心の負担は軽くなる。

・問題に直面しているときでも、まずは夫婦そろって充実した時間を過ごすことを優先しよう。毎日お互いの様子を確認したり、定期的に夜のデートに出かけたりといった、ごく些細なことでかまわない。

・自分をいたわるよう互いに促し、それぞれのセルフケアを優先しよう。これは、支え合う関係を築く上で不可欠でもある。

5. 曖昧さから生じる問題

夫婦関係において、自分が何を望み、何を必要としているかを明確にできないと、不安が生じる。ひいては、夫婦関係にズレが生じ、満たされない思いを抱いたり、誤解されていると感じたりするようになる。一方が口に出さない要望と、もう一方の満たされない期待がぶつかり合って、感情的な緊張が生じる可能性があるからだ。

それぞれが抱く願いを率直に話せるよう、励まし合おう。また、ワークショップや読書、夫婦カウンセリングなど、自らを振り返ったり心の中を探ったりできる活動に取り組むのもよい。それらを通して、互いのニーズについて理解を深め、相手の興味関心を応援し、相手への思いやりや忍耐力を養おう。そうすれば、関係の不安定さを乗り切ることができる。

まとめ

関係が機能不全に陥っていることを示す兆候を認識することで、改善が必要な領域はどこで、どう改善させていけばいいのかが見えてくる可能性がある。

夫婦の絆を強めるためには、二重のコミットメントが必要だ。つまり、個人的に成長するとともに、夫婦で協力しあうという努力が必要になる。そのための基盤として、自省し、相手を思いやり、一つ一つのステップで積極的に意思疎通を図ろう。

forbes.com 原文

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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