リーダーシップ

2023.06.28 08:30

「静かな退職」の次は「騒がしい退職」、その弊害と対策

安井克至
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「静かな退職(クワイエット・クイッティング)」は、大退職時代に労働者たちが掲げたスローガンだった。十分な仕事があり、チャンスを選ぶことができた。自分たちが運転席に座っていると知っていた従業員は、必要な基本的な仕事量だけを少ない努力や熱意でこなすことで、上司に反発することができた。

最近、「騒がしい退職(ラウド・クイッティング)」という新しい言葉が流行している。静かな退職とは異なり、彼らは劇的に仕事を辞める。ソーシャルメディアに「やめる」と投稿し、同僚にもうすぐ辞めることを知らせたり、雇用主に即刻退職を通告したりするのだ。

この劇的な行動を起こす前に、その影響について考えてみよう。あなたが「騒がしい退職」をする理由は、何かを主張したかったり、マイクロマネジメントをする威圧的な上司に仕返しをしたかったり、あるいは単に評価されないことにうんざりしていることなどかもしれない。デメリットは、コネクションを失い、新しい仕事の推薦状や推薦を得ようとするときに問題になる可能性があることだ。

ワーク・ライフ・バランスの欠如に対する反発

ギャラップの最近の分析によると、約5人に1人が「騒がしい退職」をしている。これは、労働力全体の不満や離職の傾向の一部だ。なかなか見つからないスキルを持つ人は、すぐに新しい職が見つかるとわかっているため、仕事を辞めやすい立場にある。自分の不幸を周囲に騒々しく知らしめるという突然の決断は、オフィスに戻ることの押し付けや、ワークライフバランスが欠如していることに根ざしている。

会社を混乱させる

「騒がしい退職」は、会社に悪影響を与える。このような社員は、予告なしに退職したり、ネット上にネガティブなコメントを投稿したり、与えられた仕事を拒否したり、破壊的で妨害的な行動に出る可能性がある。このような行動は、大きな組織的リスクを示唆するものであり、リーダーやマネジャーは無視してはならない。

「騒がしい退職」は、士気や生産性を損ない、会社の文化や評判に影響を与えかねない。例えば、生産性の低下、注意力散漫、離職率の上昇、優秀な人材の流出、残った人々の業務負担の増加などが挙げられる。ギャラップの報告によると、職場での離職は世界経済に8.8兆ドル(約1200兆円)の損失をもたらしている。

リーダーたちに必要なこと

リーダーはただちにこれらの問題に対処しなければならない。経営陣は定期的にフィードバックを求め、従業員の声に耳を傾けて、なぜ従業員が離職しているのかを理解すべきである。組織は従業員の福利厚生を優先し、メンタルヘルスをサポートするための支援やリソースを提供すべきである。リーダーは、職場の信頼を回復するために適切な措置を講じる必要がある。従業員が良い結果を出したときには、それを認め、感謝を示すべきだ。そして有害すぎる従業員は退職させなければならない。

forbes.com 原文

翻訳=上西雄太

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