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2022.03.02 11:00

誰も取りこぼさず、9割のECを救う──シャッター通りに息吹を吹き込む、ネットビジネスの匠

後藤 亮輔
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どの業態でも「EC開設」が当たり前になった。簡単にECを制作できるツールも普及している。2019年に150万ショップだったECは、2021年に280万ショップまで増加した。

だが、実態は酷だ。ECで思い通りの利益を出している企業は、ほんの一握り。それどころか、9割のECサイトは、ほぼ売上が上がっていない。

せっかくいい商品を扱っていても、集客方法が分からないため光が当たらないままのECが数多。静かにECを閉鎖する事業者も後を絶たない。うまく活用できれば、シャッターを降ろさずに済んだ商店だってあったかもしれない。

こうしたEC業界の課題解決に奮闘しているのが、「株式会社これから」。2008年創業で、売上は現在10期連続伸長中。近々のIPOも視野に入れる、勢い付く企業である。

「自分で決めたことを途中で諦めたくないんです。しつこい性格なんで」

そう笑うのは、代表取締役を務める今泉雄介だ。ECで成果を出すことが難しいのと同じように、EC支援事業も「儲からない」と言われている。それでも、彼は創業以来この事業1本を貫き続けてきた。

彼のこだわりと、根底にある「日本企業に勢いを取り戻したい」との思いに迫りたい。

人手による支援の限界に、ジレンマを抱えた


前職でEC支援に従事していた今泉は、ECを立ち上げるも成果を出せず立ちすくんでいる事業者を多く見聞きし、危機感を抱いていた。

リアルな商売とは勝手が違うECで事業者が成果を出せない原因は、集客できない・知見が無い・リソースが無い、のいずれか。経営者が高齢でITに明るくなく、若手社員にも任せられないため活用が進まない企業が多くあったという。

何とか社内の支援体制や方針を変えようと試みるも、社内で折り合いは付かなかった。スピーディーに業界の課題を解決するため、今泉は起業の道を選ぶ。

志を共にした前職の同僚と共に、EC制作支援事業で創業。しかし、最初の2年間は経営状態が火の車だった。社員から「今月の給料は出るのか」と心配される状態だったが、必死で新規顧客を開拓し、何とか耐え切った。

実績を増やし、業界内での評判が上がるにしたがって、やっと利益が生まれた。広告運用やコンサルティングなど、サービスラインナップも拡充。順調な成長に見えるが、今泉は起業理由との矛盾や悶々とした思いを抱えていた。

「EC制作も広告運用もコンサルティングも、依頼するにはまとまった金額が必要でしょう。支援できるクライアントが限られて、もどかしかったんです。

それに、どの事業も労働集約型だから、どんなに頑張っても1人20社ほどが限界。これでは悩める事業者を救うことができないな、と」

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効率的に、多くの事業者の課題を一気に解決する手段は無いだろうか。

そう考える中で、今泉は「ツールを提供するしかない」という結論に至る。

手軽なツールで、ECのファーストステップを“容易に”乗り越える


EC事業者を支援する起爆剤として、2019年に「AdSIST」を開発した。

これは、EC事業者が最初にぶつかる壁、「集客」課題の解決に寄与するSaaS型の自動集客ツール。広告媒体と連携しており、SNSや検索エンジンのタイムラインに商品を露出でき、集客に繋げられる。

使い方も簡単、費用も手頃なため、現在7,000サイト以上に導入されている。中小企業だけでなく、飲食店やアパレルショップ、個人事業主など、これまで支援の手が届かなかった層に活用されていることが特徴だ。

「ECを開設しても、集客導線の引き方が分からない事業者がほとんどです。まず集客しないことには、ECをどう改善すべきかも分からないですよね。

第一段階の集客をAdSISTで支援することで、事業者に手応えを感じてもらい、EC運営のモチベーションアップに繋がればいいなと」

AdSISTを活用して、商品を露出する事業者が増えるとする。商品を買う側である私たち生活者も、こだわりの詰まった商品に、偶発的に出会いやすくなるのだ。

ただ、AdSISTを集客支援ツールで終わらせるつもりはない。10年以上EC支援に携わって得たデータと知見を生かして、カテゴリごとの平均CV率との比較や改善策を提案する、コンサルティングのような機能も搭載予定だ。

2021年9月からは、広告代理店や制作会社に特化した広告運用サポートツール「AdSIST plus」も提供を開始した。

「ECの広告運用やコンサルティングができる人材は、市場で引く手数多。どうしても給与の高い大手企業に流れていきます。

要は、EC事業者からコンサルティングを求められても、対応できない代理店や制作会社がたくさんあるのです。そうした企業が、ツールを活用してコンサルティングをできるようになれば、幸せになる人が増えるんじゃないかなと」

一方でECの広告運用やコンサルティングは、粗利が低い。成果が見えやすい分、短期で大きな改善が見られなければ、事業者側が我慢できず即解約されるケースも多い。

ECが増え続け、支援事業者へのニーズが高まっているにもかかわらず、「事業をするうまみが少ない」と、EC支援事業者は一向に増えないままだ。

こうした構造さえも変えて、業界を盛り上げたい──固い意志を持ち、今泉たちは事業を展開している。

テトリスのように、メンバーの個性と個性が重なり合う経営を


「素晴らしいプロダクトとビジョンだけでは足りません。従業員が生き生きと、個性を生かしながら働けないことには、企業活動は長続きしませんから」

この言葉にも表れているように、今泉は組織作りにも、かなりのこだわりを持っている。

その一例が、「ティール組織」。課長や部長などの役職は置かず、メンバー・コーチ・役員の3階層だけ。指示が飛び交わないフラットさを重視する。

「評価面では、上司が部下の評価を行なうのではなく、チームメンバー同士で評価をし合っていて。目標設定においても、求める成果とそれぞれに応じた報酬を明示した上で、どのラインを目指すかは社員自身に決めてもらいます」

こうした制度だからこそ、「上司との相性で評価が左右される」、「頑張っても評価に結び付かない」といった不満は聞かれず、社員が納得感を持って働ける。

ダイバーシティも体現しており、外国人エンジニアが20名ほど在籍。創業間もない頃から柔軟な勤務体系を適用して、子育て中の女性社員も多数採用してきた。

「オフィスに子どもがいると、周りの社員も優しい気持ちになれるから」と、子連れ出社も認めている。将来的には、社内託児所を整備して気軽に子連れ出社ができる環境を作りたいという。

そして、これから社の根本にあるのが「テトリス型経営」という考え方だ。さまざまな形のブロックが登場するゲーム・テトリスと、社員の個性を重ね合わせている。

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「『真っ直ぐな形になって重なりなさい』と相手に要求するのではなく、『君がこの形なら、私はこう回転して重なってみよう』と言えたらいいですよね。個性を生かして、互いの短所を長所で補い合うような組織でありたいんです」

ブロックを回転し、重ねることでクリアしていくテトリスのように、個性を発揮し合って、チーム一丸で大きな仕事を成し遂げる組織でありたいと思っている。

「こんなものだ」と可能性を狭めてしまうのはもったいない


効率化することと、あえて効率化しないことにも、こだわりが詰まっている。

ノーコード化を進めたりナレッジをイントラネットに蓄積したりと、社内業務は効率化を推進。

一方、多くの企業がSaaSのカスタマーサポートをチャットで行なう流れには沿わず、電話の窓口を用意。コロナ禍で制限はあるが、大阪・名古屋・福岡にあえて支社を構え、対面のコミュニケーションを重視する。

これから社のクライアントの中には、高齢でITに明るくない担当者がまだまだ多い。彼らと信頼関係を築き、直接サポートをするためだ。こうした姿勢からも、「誰も取りこぼさず支援したい」という強い決意を感じる。

ECが、事業者の未来を照らす光のような存在になるために。これから社は、どんな未来を描いているのだろうか。

「これからのサービスを使うことで、事業者に『集客ができた』、『売上が上がった』と実感して、自信を持ってもらえたらいいですよね。

日本人って、民族的に謙虚すぎると思うんです。『うちには無理だ』と自社や自身の力を軽視してしまいがちで、もったいない。皆がもっとポテンシャルを解放できればいいのに、と思います。

多くの企業が売上を上げて、付加価値の高いサービスを生み出す。GDPが上がって、給料が上がる。お金に余裕が生まれた人が、適切な値段の付いた付加価値の高いサービスを選ぶ。そんな社会の循環を作りたいですね」

彼らがもっと存在感を発揮すれば......日本のシャッター通りは、息を吹き返すかもしれない。

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