前回、ビットコインの価格が乱高下したのは2013年だった。約11日間で価格は3倍に急騰した後、18日間かけて元の価格に戻った。今回は2ヶ月間で約3倍の上昇となっている。
世界の市場動向を見渡せば、今後のビットコイン相場に警戒が必要であることを示すシグナルはいくつも見える。金相場は横ばいで、金利にも目立った動きは無い。株式相場は一貫して上昇基調だ。商品市場も穏やかだ。ただし、原油相場を除いて。原油市場はOPECとロシア等の産油国が減産の延長に合意した報せを受けて50ドルを下回る水準まで値を下げた。市場の先行きが不透明感を増す中で、リスク回避の動きが広がっている。
直近のビットコインの値動きのグラフは、2015年前半の中国株の値動きのグラフと類似している。ここに注がれている資金はほぼ同種のものである可能性が高い。
前回の中国の株式相場の崩壊は、世界の市場に影響を及ぼした。何がきっかけでバブルが崩壊するかの予測は困難であり、その影響がどこまで広がるかの見極めはさらに難しい。
ただし、現時点で何かがおかしいというシグナルが市場のあちこちから点滅している。