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■ 2つのランキングで見えた「今強い企業」と「勝機を秘めた企業」
藤吉 (Forbes JAPAN 編集長)
今回の特集は「AI活用」が大きなテーマですが、ズバリ、特集担当デスクの目で「読みどころ」は?
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瀬戸 (Forbes JAPAN 特集デスク)
一番の面白さは、「2つのランキング」を提示できたことですね。1つ目は、まさに今「人的資本×AI」の掛け算で圧倒的な強さを発揮している企業のランキング(拡張人的資本)。そして2つ目は、今はまだ投資段階かもしれないけれど、これから大きな結果が出る「兆し」が見えている企業のランキングです。現在の強者と、未来の勝者の両方を可視化できたのは非常に大きかったですね。
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藤吉
意外な業界、意外な会社が入っていて、日本も捨てたもんじゃないなと思ったよ。
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瀬戸
印象的だったのは、「日本の製造業」が想像以上に上位へ入ってきたことですね。なぜだろうと深掘りしてみると、これまで日本企業がコツコツと磨き上げてきた「匠の技」や「暗黙知」に、AIを掛け合わせることで爆発的な強みを生み出している構図が見えてきました。一方で、製造業の各社が口をそろえていたのが「技術伝承の危機」です。熟練技術者の高齢化と人手不足の中で、「背中を見て育て」という従来のスピード感では世界に勝てない。だからこそ急ピッチでAIを活用し、技術伝承と省人化を加速させているんです。
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■ 工場長が消える!? 「ダークファクトリー」と「人間の判断力」
藤吉
技術伝承や人手不足に加えて、最近は「工場長になりたい人が劇的に減っている」という話も聞きます。対人マネジメントの重圧も大きい。特に若い世代には「対人」を嫌がる傾向にあるみたい。
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瀬戸
だからこそ、これからは完全無人化された「ダークファクトリー(無人工場)」がどんどん増えていくでしょうね。電灯がついていない真っ暗な工場でロボットが稼働し、人間は快適なオフィスでコーヒーを飲みながら全体を監視(スーパーバイズ)するような世界です。ファナックは、すでに本社地区にある板金工場でロボットによる完全自動化を実現していて、「ダークファクトリーの代表例だ」と注目されています。
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藤吉
AIやロボットが現場を回す時代において、人間には何が求められるの?
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瀬戸
読者の皆さんにもぜひ読んでいただきたいポイントなのですが、最後は圧倒的な「人間の判断力」に行き着きます。何かトラブルやセキュリティ上の問題が起きたとき、「なぜ起きたのか」「どのラインは止めてよくて、どこは絶対に止めてはならないのか」「社内外の誰と連携すべきか」。こういった緊急事態の意思決定は、いくらAIが進化しても人間にしかできません。だからこそ各社、AI時代だからこそ「原理原則を教える時間」や「人間の判断力を磨く時間」を徹底的に確保しようとしていて、そこを社長たちはインタビューで語っていましたね。
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■ 信頼の「セブンナイン」――世界を牛耳る横河電機の凄み
藤吉
今回の誌面には面白い企業がたくさん登場しますが、瀬戸さんの中で特に印象に残った企業を挙げるとしたらどこですか?
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瀬戸
私はやはり、横河電機ですね。重野邦正社長にインタビューした際、開口一番「うちはAIで稼いでるんじゃないんだよ」とおっしゃったのが非常にズバッと刺さりました。「プロフェッショナルたちが長年磨き上げた強みがあるからこそ、そこにAIを掛け算できるのであって、AIというトレンドに乗っかって利益を上げるような発想は違う」と。
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藤吉
BtoBの会社なので、一般的には何をやっている会社かは知られていない。でも、Forbes JAPANのランキングものでは、わりと上位に入ってくる会社ですね。
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瀬戸
横河電機は、プラントの統合生産制御システム「CENTUM(センタム)」が世界的に有名です。彼らの制御システムは「セブンナイン」と呼ばれていて、「99.99999%止まらずに動き続けている」という驚異的な実績を持っています。この圧倒的な信頼性があるからこそ、中国政府は国内で生産された製品や部品を優遇する措置を講じているのに、同国の国営企業が採用したりしています。現在の中東危機のような過酷な状況下でも「現地の人員を避難させつつ、プラントの稼働と人命を守るために横河のシステムが不可欠だ」と、世界中から引っ張りだこになっている。日本の製造業の誇りと言える企業です。
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藤吉
すごいね。世界を足元から支えている超強力な企業だね。
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瀬戸
他にも、意外だったのが、群馬銀行の面白さです。
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藤吉
「何げない一言を金の卵に変える」という話は当社としてもすごく参考になった。
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瀬戸
深井彰彦頭取の「AIでは代替できない、人間ならではの決断力とリーダーシップ」の重要性を示すお話は、迫力があって面白かったです。
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藤吉
私にとってインパクトがあったのが、「オルガノ」です。社名は知っていましたが、半導体製造に使う「超純水」の世界的強さは、日本人として誇りだなと思ったね。
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■ デスクから読者へのメッセージ
藤吉
最後に、今回の特集を通じて読者の皆さんに一番伝えたいメッセージは?
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瀬戸
登場していただいたすべての企業に通底しているのは、「AI時代だからこそ、自社の本当の強みは何なのかを徹底的に深掘りしている」ということです。 単なる業務効率化や経費削減のためにAIを入れるのではなく、「自社のコアな強みをAIでどうブースト(拡張)させるか」。この視点を持って誌面の事例やランキングを読み解いていただけると、明日からのビジネスや投資の強いヒントになるはずです。
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藤吉
「匠の技×AI」の最前線から、人間の意思決定の本質までが詰まった1冊になりましたね。お疲れ様でした。それでは、ビジネスパーソン必読のForbes JAPAN 10月発売号、ぜひ手にとってお確かめください!
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