|
今年は表紙を飾るPeterparker69のJeterをはじめ、 3度目のデビューで世界的な人気を獲得したLE SSERAFIMのSAKURA、 世界中の音楽チャートを席巻するプロデューサーのTaka Perry、 世界のダンストレンドを牽引するYUMEKI、 ビジネス界からは高専人材を束ねて製造業の改革を行うプロッセルホールディングスの横山和輝、 医師不足を解決しようと起業した医学部3人組のmedimoなど、 起業家、アーティスト、研究者、NPOなど30人を選びました。 推薦をしてくださったのは、90人のアドバイザリーボード。たくさんの推薦から、選出条件を満たす30人を厳選しました。
|
|
世代が違う私(編集長)が「なるほど」と思ったのは、RADWIMPSの野田洋次郎さんが語ってくれたPeterparker69のJeterについての「才能」です。 Jeterのロングインタビューをより理解させてくれる野田さんのお話、そして、白眉はインタビュアーである文筆家のつやちゃんによるコラムです。
|
|
かつてインターネットは「独自のネットカルチャー」という「場」だったけれど、U30世代にとって「世界を認識するレンズ」になっています。 本来であれば交わらないものが隣り合い、異なる文脈が高速で接続される。そこから彼ら彼女たちは世界を理解し、表現のベースにある「感覚」が育てられていく。そうして見ていくと、30人の顔が、単なる若者を超えて、より実像に近づいていける気がします。
|
|
30人のインタビューは誌面でご覧いただき、YouTubeやPodcastでも肉声をお伝えしていきます。この時代性こそ、「30歳未満の30人」の意味をまた更新した気がします。
|
|
そもそも「30歳未満の30人」を始めた意味は、次のようなことでした。
|
|
この企画は2011年にアメリカのフォーブスがスタートさせ、その後、欧州やアジア、アフリカにも広まりました。さらに、フォーブスだけでなく、研究機関、建築設備エンジニアリング業界やサブライチェーン・マネジメントなどの業界団体、そして専門機関でも、独自に30歳未満の30人を表彰する動きが世界で広がっています。
|
|
なぜ30歳未満なのでしょうか。
|
|
「Don’t trust over 30(30歳以上を信じるな)」という合言葉がありました。 1960年代、アメリカで生まれたカウンターカルチャーの旗印となった言葉です。30歳以上は「体制側」「旧来の価値観」とみなされ、闘うべき古い相手であり、世代間闘争の象徴的な言葉として世界に広まります。30歳が世代間を分断させる境目の年として、対立がかっこいい文化とされた時代でもありました。
|
|
一方、時代はめぐり、21世紀になると、フォーブスに転職してきたある男性編集者は、疑問を抱くようになります。スポーツやエンターテイメントの世界は10代や20代で大成功を収めるのは当たり前です。一方、ビジネスの世界はどうでしょう。「年齢と経験がものをいう」価値観のままで、30歳未満は未熟者と扱われます。
|
|
しかし、彼は時代が変わりつつあると気づきました。 グーグルはすでに世界を制覇しており、2008年にはスマートフォンが登場。テクノロジーやスタートアップの世界で、20代の起業家が短期間で大きな成功を収める事例が次々と現れ始めました。「年齢と経験がものを言う」という旧来のビジネス誌の価値観そのものを問い直す必要がある。彼はそう考えたのです。
|
|
「若さが、多くの分野で武器(アドバンテージ)になる時代が初めて訪れた」。彼は時代のうねりをそう捉えました。
|
|
こうして2011年、第一回目の30 UNDER 30がニューヨークで発表されました。Facebookを立ち上げたマーク・ザッカーバーグ、Spotifyのダニエル・エクなどの起業家に並んで、人道活動家やラッパー、デザイナーが30歳未満の有望な旗手として一堂に介しました。
|
|
「有望な若者を見つけて祝い、支援する」という目的の背景には、「若さそのものが競争優位になった」という時代の大きな変化への気づきがあったのです。 かつての世代間は対立するものだったのが、世代を超えた「共創」へと変化しようとしています。そして、これを一過性の企画で終わらせず持続的なコミュニティ・ネットワークを作るというムーブメントに繋がっていきました。
|
|
若さこそが競争力の源泉であり、世代は対立から共創へ。まさに時代のうねりを象徴する企画が30 UNDER 30でした。 そして2026年、日本から選ばれた30人を見ていると、ネット世代の申し子たちがさらに新たな時代の幕を、自由な感覚で開けているように思えるのです。
|