「若者のギャンブル離れ」が米国で進行 カジノ業者ら悲鳴

photo by Michael Blann / gettyimages

米国のカジノ業界では過去数年間でスロットマシンからの売上が減少を続けている。カジノの売上の多くはスロットからもたらされており、業界としては深刻な問題だ。

カジノ業者の多くは売上減少の理由を、スロットマシンの愛好家は50歳以上がメインであり、近年ラスベガスのカジノを訪れる人の大半が50歳以下であることによると推測している。カジノのフロアは今でもスロットマシンに埋め尽くされているが、これは今後大きな問題になりうる。

近年のヤングアダルトたちは洗練されたビデオゲームに慣れ親しんでいる。ミレニアル世代にとって、ボタンを押して勝つか負けるかを待つだけのスロットは楽しいものとはいえない。過去数年でラスベガスを訪れる観光客の数は15%以上減少した。また、ミレニアル世代は旧世代に比べ、ギャンブルへの支出額がずっと少ないことも明らかになっている。

若い世代を獲得しようと、カジノ業界は新しいタイプのギャンブルを模索している。取り組みの一つにはGameCo社によるものが挙げられる。同社はビデオゲーム・ギャンブリング・マシン(VGM)と呼ばれる製品群をカジノに提供する。

VGMでは人々はビデオゲームのスキルを競い、ゲームの技量に応じて支払いを受ける。自動車レース形式のものや一人称視点のシューティング、格闘ゲームやパズル、宝探し、マルチプレイヤーのバトルゲーム等、様々なものが用意されている。

下記にVGMが発表した米国のカジノ業界の現状を示すデータを挙げておく。(数値は2015年集計のもの)

米国のカジノ売上:711億ドル(約7兆4,000億円)

スロットマシンが売上に占める割合:75%

売上100万ドル以上のカジノホテルのギャンブル収入の比率:
1990年、58%
2014年、37%

ラスベガス滞在中にギャンブルをした人の割合:
1990年、87%
2014年、71%

世代別のギャンブル人口(ラスベガス滞在中にギャンブルをした人の比率)
ベビーブーマー世代:78%
ジェネレーションX世代:68%
ミレニアル世代:63%

編集=上田裕資

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