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GPIFの12年までの基本ポートフォリオでは、資産の2/3を国債で運用することになっていた。しかし、安倍晋三政権が誕生してデフレ脱却を目指すアベノミクスを推進し、日本銀行の量的質的緩和が決定されると、国債長期金利が1%を割るようになった。金利収入が減少しはじめるとともに、将来の金利上昇局面では巨額の評価損を招くリスクが高まった。

こうした経済環境下で、GPIFの資産運用の見直しの機運が高まり、13年夏、安倍政権のもとで、GPIFの改革を議論する有識者会議(私が座長)が発足した。

13年6月7日に、GPIFは基本ポートフォリオの改訂を行い、国債比率を67%から60%に引き下げた。有識者会議では、この国債比率をさらに引き下げるべきか、どのような資産の比率を高めるべきか、GPIFの組織・統治(ガバナンス)をどのように改革すべきか、議論された。

有識者会議報告書では、(1)国債保有比率はさらに引き下げるべきこと(具体的な数値は言及せず)、(2)長期的な視点にたってポートフォリオを構築すべきこと、(3)理事長が一切の決定を行い、責任を持つという「独任制」を改め、重要事項について合議制の理事会をつくるべきこと、などを提言した。同年11月に提出された報告書は、国内外で大きな反響をよんだ。なぜなら、ポートフォリオを1%動かせば1兆円以上のお金が動くからである。

幸いにして、日銀が量的質的緩和を継続しており、GPIFが国債比率を低下させることが国債市場に悪影響を及ぼす(金利急騰)ことはないことは確実だった。ただ、国債から国内株式へシフトすれば、国内株式市場によい影響を与えるし、外国株式へシフトすれば、円安になるという影響が予想された。

伊藤隆敏 = 文

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