テスラに対抗の自動車メーカー「高級EV」戦線、最新動向 Vol.1

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自動車業界はイーロン・マスクに対し、反撃のチャンスをうかがっている。テスラモータースの型破りなやり方を、最初は相手にしなかったドイツの高級車メーカーも、同社の勢いが増すなかで、それに対抗する動きを進めている。

独アウディはフランクフルトモーターショーでテスラの「モデルX」の快進撃に歯止めをかけようと、大型SUV電気自動車「Eトロン クアトロ」を発表。フォルクスワーゲンも「フェートン」のEV車を市場に出すとした。また、ポルシェはエンジンを搭載しない完全な電気自動車「ミッションE」のコンセプトカーを公開した。

3.5秒以内に100km/h(62mph)に達する出力を持ち、わずか15分で80%まで再充電可能な高性能600馬力の4ドアセダンミッションEは、テスラ「モデルS」をトップの座からひきずり下ろすため、発売へ向けて着々と準備が進められていると言う。

「最も注目すべき事実は、ポルシェがあと数年でこの偉業を成し遂げようとしていることだ。現在、モデルSは他の追随を許していないが、それも今のうちかも知れない」とジャーナリストのブルック・クロザーズ氏は述べた。

また、韓国の現代自動車もトヨタプリウスを抑えエコカー市場のリーダーとなるべく新型車「IONIQ」を市場に出す。運転する楽しみが売りのエコカーIONIQは、2016年1月に韓国国内で発売される。

このIONIQは、新型1.6リッター直列4気筒エンジンを搭載、1つの車種で電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド(PHEV)、ハイブリッド(HEV)の3種類の電動パワートレインが利用可能だ。「現代自動車の新型エンジン搭載エコカーIONIQは、世界で初めてプリウスに挑戦出来るハイブリッドカーだと言えます」と、米調査会社ナビガントリサーチのアナリスト、サム・アブエルサミド氏は言う。

モータージャーナリストのジョシュ・マックス氏は、英マクラーレン・オートモーティブが誇る115万ドル(約1億4,000万円)のプラグインハイブリッド・スーパーカー「McLarenP1」に着目している(顧客の好みに応じ1台一台特注で造られるP1は、375台限定生産で既に完売。先日最後の1台が完成した)。最高速度350km/h(217mph)、903馬力のハイブリッドロードカーは、わずか2.8秒で100km/h(62 mph)の加速を実現する。

マックス氏は言った。「他の魅力的なスポーツカーがそのうち私たちの前から姿を消しても、McLarenP1だけは別だ。P1は文字通りポジション1、他の追随を許さないナンバーワンとして歴史に残る最高の名車だ」

以下、後編に続く(12月20日公開)。

編集=上田裕資

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