東京大学大学院総合 文化研究科教授

岡ノ谷 一夫

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心理学の生物学的な研究を進めている。趣味でルネサンス時代の楽器リュートとビウエラを弾く。著書に『つながりの進化生物学』(朝日出版社)など。

  • 時間の概念を揺さぶる「ジャネーの法則」/岡ノ谷一夫

    そもそも時間はどこにあるのだろう。私たちが時間感覚を持つことは明らかだ。しかし時間感覚は、視覚であれば目、聴覚であれば耳、嗅覚であれば鼻のように、その感覚を受け取るための専門器官が存在しない。それでも人間は、時の流れを感じている。人間が感じる得る時間差は秒から数年まで、非常に幅広い。年であれば、季節 ...

  • 古楽器という名の「タイムマシン」に誘われて

    趣味で古楽器を弾く。「ふるがっき」ではなく「こがっき」と読む。通常、中世からルネサンス、バロック期に使用された楽器のことである。もともとクラシックギターを弾いていたのだが、20年ほど前、左手にけがをして握力が足らなくなってしまった。それがきっかけで、リュートという古楽器を練習することにした。アラビア ...

  • 時が流れないとすれば/岡ノ谷一夫

    たぶん6,7歳のときである。お風呂に薪をくべる母の背に「僕、いつ死んじゃうの?」と聞いた。死に伴う痛みとか苦しみとかを思い煩ったのではなく、幼いなりに形而上学的な疑問を死に対してもっていたのだ。母は「おまえが死ぬのは私が死んだあとだから、そんなことまだ考えるんじゃない」と言った。そういう問題じゃない ...