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2026.06.29 09:00

AI生成による「領収書の偽造」が急増、経理部門の新たな脅威に

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金額が明かすこと

トレンドラインと同じくらい重要なのは、その金額である。AppZenによれば、同社データセットにおけるAI生成領収書の平均は101ドル(約1万6261円)で、中央値は約32ドル(約5152円)だった。旧来の偽テンプレート領収書の平均は約182ドル(約2万9302円)である。

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この差は、戦略の変化を示唆する。旧来のテンプレート偽造は「高額で少数」だったのに対し、AI生成領収書は「少額で数が多い」。ここで重要なのが中央値である。少数の高額請求が平均値を押し上げるためだ。32ドル(約5152円)の領収書は、米国では多くの企業が迅速に処理しようとするゾーンに収まる。日常的に見えるほど小さいが、何百人もの従業員が繰り返せば意味のある額になる。「AIは、リスクを取る価値があるほど大きい1件の偽造から、誰もわざわざ確認しない小さな偽造の山へとゲームをひっくり返した」とバーマは言う。

これは自動承認の経済性である。少額の食事代申請をすべて精査すれば、通常は見合わないほど企業の時間とコストがかかる。そこで経理部門はしばしば閾値(しきい値)を設ける。一定額未満の申請は、人的レビューがほとんどない、あるいはまったくないまま迅速に処理される。高額の申請ほど精査されやすい。

主たる懸念が処理コストである限り、この閾値は合理的だ。だが、少額の申請を連ねることで、通常はレビューを誘発しない水準にとどまりながら安定的な支払いを得られる場合、リスクは高まる。時間節約のための統制が、潜在的な不正者に「狙うべき金額」を教える結果になり得る。

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分散型テクノロジーとしての不正

AppZenのデータで特に示唆的なケースの1つは、Fortune 10企業の単一企業に関するものだ。12カ月の間に、22カ国の142人の従業員が、AI生成領収書340件を提出し、申請額は合計3万4953ドル(約562万7433円)に達した。この企業だけで、AppZenの欧州顧客25社の合計を上回るAI領収書件数を占めた。

重要なのは、提出が国や従業員をまたいで発生していた点である。組織的な攻撃というより、ツールが職場内で自然に広がっているように見えた。

これは経営陣にとって懸念すべき事態だ。組織的な不正は、時に不正者のネットワークを特定することで見つけられる。分散型の不正は、より発見が難しい。AppZenによれば、AIで領収書を偽造して摘発された従業員の約3分の1は、同じ12カ月の間に複数回行っていた。件のFortune 10企業では、再犯率は41%だった。

AppZenのデータでは、提出件数が最も多かったのはインドで、AI生成領収書の明細行は300件に上ったが、1件あたりの金額は比較的小さかった。オーストラリアでは金額の集中がはるかに大きく、通信企業の従業員1人が11件の経費報告書にまたがってAI生成領収書11件を提出し、1万2900ドル(約207万6900円)を請求したことが要因だった。別の欧州のケースでは、眼鏡小売企業の従業員が15件の報告書にまたがってAI生成領収書45件を提出していた。

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