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欧州

2026.06.30 12:00

欧州を襲う猛暑、ワイン産地に深刻な影響──収穫から醸造まで脅かす

2026年6月22日撮影。フランスのカンシエ=アン=ボジョレのブドウ畑。フランスを襲った前例のない熱波による深刻な干ばつに、多くのブドウ栽培者が懸念を示している。猛暑(vigilance rouge)の赤色警報は49を超える県に出されている。赤色警報はフランス気象局の気象警戒システムにおける最高レベルの警報だ。Photo by Romain Doucelin/NurPhoto via Getty Images

収穫時の課題

暖かい天候が収穫期まで続けば、ほかの課題も生じる。

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収穫作業者は灼熱の太陽の下で苦しむ。早朝に収穫を始め、午後は作業しないようにする人も多いだろうが、それは半分の解決策にすぎない。夜間収穫という方法もあるが、作業者に夜勤をしてもらうのは難しく、暗闇での収穫自体も困難だ。ブドウの房は葉の層の奥に巧みに隠れていることが多い。

切り取られる前に何時間も日光にさらされたブドウを、摂氏38〜49度(華氏100〜120度)の状態で運び込まれることも問題である。破砕してタンクに入れると、高すぎる温度で激しく制御不能な発酵が始まることがある。通常、醸造家は赤ワインの発酵温度を摂氏約29〜32度(華氏85〜90度)以下に抑えたいし、白ワインはスタイルにもよるが、摂氏約10度(華氏50度)未満というさらに低い温度を望むこともある。

ブドウを1晩、あるいは数日間クールルームに入れる醸造家もいるが、設備が必要でコストもかかる。さらに(エネルギー消費によって)温室効果ガス排出も増える。

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問題を和らげる別の方法は、機械収穫である。機械なら夜でも問題なく収穫でき、収穫チーム全員に夜勤を頼むより、トラクター運転者を夜勤に説得するほうが容易だ。機械収穫のもう1つの利点は、非常に速いことである。最適な成熟の「窓」が短い場合(この条件下ではそうなり得る)、完璧に熟したブドウを取り込む助けになる。手摘みでは、やや未熟な段階で早く始め、やや過熟の段階で遅く終える必要が出るかもしれない。

灌漑

思われている以上に一般的だが、ブドウ畑が灌漑されていれば、干ばつは当然ながら問題になりにくい。ブドウ畑の灌漑に関するFranceAgriMerの報告書は、米国のブドウ畑の75%が灌漑されていると推計している。欧州でも灌漑は広く行われている。(欧州では灌漑が禁止されているといわれることがあるが、そうではない)。

ただし、灌漑には水へのアクセスが必要であり、水は無限の資源ではない。アルゼンチンのメンドーサでは、アンデスの融雪水であれ、ボーリング井戸の地下水であれ、水へのアクセスは厳格に規制されている。水利権が、新たなブドウ畑造成の制約要因となっている。

もう1つの例が、コロラド川流域からの水をめぐる争いである。主にアリゾナ州とカリフォルニア州で利用され、その用途の中心(70〜80%)は農業だ。しかし、ラスベガス、フェニックス、ロサンゼルスといった大都市への供給ニーズと競合する。このケースはブドウ畑を含むものではなかったが、同様のことが他地域で起きても不思議ではない。

水、すなわち水へのアクセスは、将来、最も激しく争われる天然資源の1つになる可能性が高い。

気候変動に対するワイナリーの解決策は何か?

容易な解決策はほとんどない。短期的にはなおさらだ。そして、気候変動と地球温暖化の影響がますます明確になるにつれ、問題は時間とともに深刻化していく可能性が高い。

ブドウ畑では、生産者は注意深く見守り、ブドウの木の健康状態を監視できる。緊急灌漑の可能性もあれば、日光曝露を減らすためにキャノピー(樹冠)管理を調整することもできる。より長期的には、どこにどのように植栽するか、またどの品種を用いるかを変える問題にもなる。

品種によっては高温や干ばつに強いものもある。米国などのアメリカ大陸の国々では、こうした変更は比較的容易に行える。許可される品種に関する規則が、ほとんどないか、あっても少ないからだ。課題はむしろマーケティングかもしれない。ピノ・ノワールやカベルネ・ソーヴィニヨンは知名度の高い売れ筋である。一方で、ラベルにアンタン・ヴァスやトゥーリガ・ナシオナルと記されたワインを売るのは難しい。欧州では、特定地域で許可される品種を定める規則がほぼ常に存在する。規則は変更できるが、ゆっくりとしか変わらない。たとえばボルドーは最近、トゥーリガ・ナシオナルの試験的な植栽を限定的な規模で認めた。

醸造面では、こうした状況で生産者を助ける手段がいくつもある。不均衡なマストを調整する技術や製品は存在するが、限界もある。たとえば酸の不足やタンニンの欠乏は補正できる。

しかし、ここでも商業的な課題がある。暑い天候のブドウは破砕場に高糖度で持ち込まれやすく、その結果ワインのアルコール度数も高くなる(ただし酵母のタイプによっては低減できる)。近年、市場は低アルコールワインを求める方向へシフトしてきており、この点が課題となる。

さらなる気候変動の難題

高温と少雨だけが、今日のワイン生産者にとっての課題ではない。地球温暖化と気候変動は、より予測不能で、より極端な気象を生み出しているように見える。春の遅霜がより頻繁になり、芽を枯らす。シーズンを通じて予測不能な雹が、ブドウと木の双方を損傷する。2017年と2020年にナパとソノマで起きたような山火事(森林火災)。ブドウ畑を丸ごと流してしまうほどの豪雨……。

ブドウ栽培家、そしてワインメーカーにとって、暮らしは決して楽ではない。

forbes.com 原文

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